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「メジャー制覇」と「金メダル」宣言!
有言実行の20歳、畑岡奈紗の野望。
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byShizuka Minami
posted2019/12/02 10:00
米ツアーでのメジャー制覇を堂々と口にする畑岡奈紗。有言実行の恐るべき20歳から来季も目が離せない!
「基本からやり直す」と誓った日。
結局、今季メジャー5戦のうち3試合で予選落ちを喫した。
「基本からやり直す」
8月の全英女子オープン終了後、畑岡は帰国して基本に立ち返るべく練習に取り組んだ。
「自分の感覚になるんですけど、(クラブの)構えとか、グリップのちょっとした握りだったり、あとは(自分と)ボールとの距離感とか」
この、感覚の部分は、本人にしか分からない。だが全英女子の次戦で、ラウンドレポーターの片平は畑岡のゴルフの状態が良くなったことにすぐ気づいたという。
「(スイング時のクラブの)トップの位置が高くピタッと止まるようになったんですね。ミスショットが出る時はトップの切り返しが早くなるというか、打ち急いでいる感じに見えるんです」(片平)
畑岡は試合中に一番集中できる本来のスタイルを思い出したようだ。
「(大会前に自分の)目標スコアを立てて、それに向かってやること」
自分を冷静に見つめなおし修正できたことが、その後の秋の国内メジャー2勝につながっていたのである。
2勝よりも5戦全勝できなかったことを悔やむ。
フロリダの最終戦でホールアウトしてから、報道陣が畑岡を囲む。そこで“気持ちの強さ”を象徴する畑岡らしい発言がまたまた飛び出した。
「せめてトップ10、トップ5をキープしていたかったですね」
なんのことかというと、9月のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメントでの7位タイ、TOTOジャパンクラシック52位という結果のことだった。どうやら本人が望む結果と大きく離れていたようで、その戦績を切り捨てるように発言していたのだ。
「今季2勝できた」ことに決して満足せず、今季に出場した国内ツアー5試合のうち「2勝しかできなかった」と悔やむという、この姿勢……。
畑岡は、国内の5試合全てで勝つ気だったのだ。
米女子ツアーの1勝についても「そんなに自分の感触よく勝ったっていう感じではなくて。(今年)アメリカで『すごく良かった』っていうのはなかったですね」と、どこまでも自己評価が厳しい。