熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
U-17W杯で知っておきたい有望株。
ブラジル紙が見た若き日本の印象は。
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byGetty Images
posted2019/10/26 11:50
U-20W杯を経験した西川潤ら擁する若き日本代表は、ブラジルの地でどのような結果を残せるだろうか。
ブラジル紙が見る優勝候補は?
大会に参加するのは各大陸における予選を待ち抜いた24カ国で、4チームずつ6グループに分かれ、各グループの2位までと3位のうちの成績上位4カ国がベスト16に進み、以後はノックアウト方式となる。
ブラジルのスポーツ紙『ランセ!』が今大会の優勝候補として挙げているのは、アルゼンチンである。南米予選を首位で突破したチームは元代表MFパブロ・アイマールが監督を務め、攻撃的なチームを作り上げている。
また一時は停滞していた若手育成が再び軌道に乗り、欧州予選を首位で突破したオランダ、堅守で欧州予選を2位で突破したイタリア、中盤の創造性が魅力のフランスなど欧州勢が続くと見られている。
また安定した守備でアフリカ予選を首位で突破したカメルーン、攻撃力はアフリカ随一で、この大会での勝ち方を熟知しているナイジェリアといったアフリカ勢も強く、南米予選では不振だったが開催国として懸命に強化に励んできたブラジルも有力候補に挙げられ、AFC U-16アジア選手権を制した日本をダークホースのひとつとしている。
1次リーグの組み分けを見ると、ブラジル、ナイジェリア、フランス、イタリアが恵まれ、アルゼンチン、スペイン、カメルーン(この3カ国は同組)、オランダは実力が拮抗したグループに入った。
ブラジルの「ロナウジーニョ2世」。
そんな各国には将来のサッカー界を背負うとみられる選手がそろっている。
まずは「ロナウジーニョ2世」と呼ばれるMFターレス・マギノ(ブラジル、バスコ・ダ・ガマ)。大柄だが柔らかいテクニックと高い決定力を備えている。またアディル・アウーシッシェ(フランス、パリSG)は「ジダン2世」を言えるような美しいボールコントロールと視野の広さが武器。なおかつ欧州予選で9得点を挙げ、得点王にも輝いている。
16歳にしてU-20アルゼンチン代表入りもしているMFマティアス・パラシオス(サンロレンソ)はトリッキーなドリブルが魅力だ。同じくアルゼンチンではDFブルーノ・アミオレ(ベルグラーノ)が圧倒的な空中戦の強さと、的確な状況判断で近い将来のA代表入りが確実視されている。
そのほかにも来年7月のバルセロナ入りが決まっているスペインのMFペドリ(ラスパルマス)。アフリカ予選でMVPに選ばれたスティーブ・ムベ(カメルーン、アズールスター)、身体能力抜群のGKマヌエル・ガスパリーニ(イタリア、ウディネーゼ)、元代表MFの父を持ち、身体能力と技術を兼備するアメリカのFWジョヴァンニ・レイナ(ドルトムント)と多士済々だ。