マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
奥川恭伸以外もぜひ覚えておきたい、
非エリートから選ぶ「私だけの逸材」。
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byHideki Sugiyama
posted2019/08/21 12:10
八戸学院光星・山田怜卓の投球には大きな可能性を感じる。こんな将来の逸材を見つけるのも甲子園の楽しみだ。
「奥川と投げ合うのは楽しかった」
試合巧者・明徳義塾の後半4イニングを1安打5奪三振の無失点に抑えると、ベスト8を懸けた星稜戦がもっとすばらしかった。
先発で投げ続ける奥川恭伸を向こうにまわして、延長タイブレークにもつれた13回までの8イニング、そして14回のアウト1つ。
4本のシングル以外ほとんど外野に打たせない圧倒的なピッチングだった。そして「5本目」が、星稜の6番・福本陽生一塁手のサヨナラ3ランになった。
「奥川と投げ合うのが楽しかった。奥川とずっと投げ合っていたかった」
やりきった者は、敗れても決して泣いたりしない。
この夏、ずば抜けた総合力を発揮する星稜・奥川恭伸。彼に匹敵する投手が、彼と肩を並べる投手が、間違いなく甲子園に1人現れた。