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チリ戦惨敗は予想通りで期待外れ。
五輪世代に日本代表の意識はあるか。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2019/06/18 16:30
アレクシス・サンチェスらビッグネームと90分間戦うのは想像以上のパワーを必要としただろう。ただその中でも反骨精神を見たかった。
食らいつく姿勢を見せてほしかった。
格下の立場なうえに、チームとしての練度も低いのである。チリを少しでも苦しめるためには、ボールに、人に、食らいついていく姿勢を見せていくしかない。かわされてもいい。抜かれたっていい。相手が嫌がるプレーをしなければ、状況は変わらないままだ。
東京五輪でチリ戦のような展開になっても、同じような姿勢で戦うのか。そんなことがあるはずはない。もっとムキになるはずだ。オーバーエイジが加わっていたとしても、東京五輪世代の選手たちは「自分たちのチームだ」との自覚を持つはずだからだ。
それが、この日は決定的に欠けていた。
後半は決定機を作り出した。1トップの上田綺世が3つのシュートチャンスのうちひとつでも決めていれば、久保建英が65分のドリブル突破をゴールに結びつけていれば、接戦に持ち込めたかもしれない。
ただ、日本のチャンスはすべて0-2となってからである。危ういスコアともいわれる2点差も、チリにとってはセーフティリードと見なせるものだったのだろう。そもそも決めきれていないのだから、「決めていれば」との仮定は非建設的な結果論に過ぎない。
このチームは何のために編成され、何のために戦っているのか。東京五輪世代が当事者意識を持たなければ、3日後のウルグアイ戦でも破綻は繰り返される。