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得意コースで108H連続ノーボギー。
ざわめく米メディア、動じない畑岡奈紗。
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byShizuka Minami
posted2019/06/06 07:00
同大会で108ホール連続ノーボギーという偉業にも、自分らしさを貫いた畑岡奈紗。
2日目、さらに記録を更新。
大会2日目、畑岡はあっさり81ホールを抜き去った。それどころか90ホール連続ノーボギーを越えてもプレーに乱れる気配がない。メディアルームでは、大型スクリーンに映し出された畑岡のスコアに地元記者が見入っていた。白髪で長身のそのベテラン記者は「insane……(凄すぎる)」と思わず呟いていた。
同じパーでも、ピンチをしのいでパーセーブをしたのか、それともバーディーチャンスを逃してパーパットを決めたのではプレー内容が全く異なる。ここ2日間、畑岡は後者であった。ティーショットでフェアウェイをしっかり捉える。ショットの精度も高く、2日間でパーオンを逃したのは3ホールだけ。2日目もノーボギーで終えて、連続ノーボギーを95ホールまで伸ばした。
参考記録とはいえ偉業である。
「記録を目指してプレーしてるわけではない」
スコア提出を終えた畑岡を報道陣が待ち構えていた。
「打ってはいけないところや(ボールの)落とし所がハッキリしているため、(プレーの)イメージが湧きやすいです」と畑岡は好プレーの秘訣を答える。
ここで、畑岡のスコアに見入っていたベテラン記者が本題の質問を投げた。
「このコースでいつボギーを打ったか覚えていますか?」
畑岡は、その質問が来ると思ってましたとばかりにイタズラっぽく笑った。
「2年前です」
畑岡は気づいていた。
「『ボギーを打ってないな』と頭の片隅にはありますが、記録を目指してプレーしてるわけではないので」
優勝を見据えて、目の前の一打に集中する。余計なプレッシャーを自分自身にかけることはなかった。