“Mr.ドラフト”の野球日記BACK NUMBER
セ・リーグの今季注目球団ランキング。
広島vs.巨人の構図、阪神の躍進……。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byKyodo News
posted2019/01/10 11:00
新入団記者会見にて。(前列左から)小園海斗、緒方監督、島内颯太郎、(2列目左)林晃汰、中神拓都、(3列目左)羽月隆太郎、田中法彦、正随優弥、大盛穂。
巨人は戦力的には魅力だが……。
巨人は昨年、打率.309、本塁打33、打点100を記録した岡本和真が今季は三塁にコンバートされる。
さらに昨年8月2日に選手登録を抹消されるまで安打80、打率.253を残していた吉川尚輝の二塁定着が現実的で、不安定だった内野が整備されてきた。丸の加入とともに、吉川、岡本の二、三塁定着がチーム力の安定には寄与すると思う。
投手陣は若手の畠世周、桜井俊貴、高田萌生、大江竜聖あたりの若手を抜擢できるかどうかが上位進出の重要なポイントになりそうだ。
また、FAの人的補償でそれぞれ西武、広島に移籍した内海哲也、長野久義の抜けた穴がチームにどのような影響を与えるのか今は想像がつかないが、いい影響を与えないことだけは間違いない。
広島は着々と日本一の準備を進める。
一方の広島は、1990~2000年代に顕著だった選手が流出したときのネガティブな反応がなくなった。
丸の移籍を想定し、その穴を性急に埋めようとするならばドラフトで辰己涼介(外野手・立命館大)あたりを指名しそうなものだが、ポスト田中広輔を睨んで小園海斗(遊撃手・報徳学園)へ1位で入札している。
丸が抜けた穴(鈴木誠也、バティスタ以外の外野の1ポジション)は、スケールは小さくなるが野間峻祥の抜擢、あるいは長野の加入でも埋まる、という計画なのだろう。
守備位置を柔軟に考えれば西川龍馬、メヒア、坂倉将吾の成長も期待できるので、丸の流出はプラス要素とさえ考えてもいいほどだ。
ポスト田中のほうを重要視したフロントの判断はさすがだ。