“Mr.ドラフト”の野球日記BACK NUMBER
セ・リーグの今季注目球団ランキング。
広島vs.巨人の構図、阪神の躍進……。
posted2019/01/10 11:00
text by
小関順二Junji Koseki
photograph by
Kyodo News
過去3年間、セ・リーグは広島が3連覇し、パ・リーグはソフトバンク、日本ハム、西武が優勝を分け合っている。この4球団からは若手の逸材が輩出されることが多いので、「若手の抜擢あるところに覇権あり」と言っていいと思う。
まず、過去5年のドラフトにおける野手の上位指名(1~2位)に注目してみよう。
1位で野手を3人指名しているのは広島と阪神だ。
◇広島……'14年・野間峻祥(外野手・中部学院大)、'17年・中村奨成(捕手・広陵高)、'18年・小園海斗(遊撃手・報徳学園)
◇阪神……'15年・高山俊(外野手・明治大)、'16年・大山悠輔(三塁手・白鴎大)、'18年・近本光司(外野手・大阪ガス)
広島が高校生2人、大学生1人、阪神が大学生2人、社会人1人なので、中長期のスパンでドラフトに臨んでいるのは広島のほうだと判断できる。
また、阪神はドラフトで陣頭指揮を執り野手の上位指名に熱心だった金本知憲前監督が昨季限りで勇退しているので、今後阪神が野手の上位指名を続けていくかどうか不透明だ。
広島の世代交代はスムーズに。
広島で不安視されているのが2年連続MVP・丸佳浩のFA権を行使しての巨人移籍の影響だ。
だが、近年のパ・リーグ各球団に限って見てみると、主力が流出したほうが新旧交代はスムーズに行われ、チーム成績も上昇する傾向があるのが分かる。
逆にFA加入が多い巨人、阪神の成績が不安定なのが現実だ。両球団が所属するセ・リーグは過去14年間、多くの年の交流戦、日本シリーズでパ・リーグに苦杯を舐めさせられているので……と考えるならば、広島の順位が下がり、巨人の順位が上がるとは簡単に言えないはず。