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リバプールに尽くせぬ選手は一掃。
クロップは心の底から二冠を狙う。 

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粕谷秀樹

粕谷秀樹Hideki Kasuya

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photograph byUniphoto press

posted2018/11/03 11:30

リバプールに尽くせぬ選手は一掃。クロップは心の底から二冠を狙う。<Number Web> photograph by Uniphoto press

ファンダイク(右)と喜び合うクロップ監督。この求心力があるから、リバプールで愛される。

マネ、サラーは監督の申し子。

 昨シーズンはフィットネスが向上しなかったスタリッジをレンタルで、冬の市場でウェストブロムウィッチ・アルビオンに、今シーズンは負傷の影響が長引くジョン・フラナガンを完全移籍でそれぞれレンジャーズに送り出した。また、度重なるミスで自信を失ったロリス・カリウスも、ベシクタシュへレンタル移籍。クロップのもとで戦うには、心身ともに強度が求められる。

 昨シーズン開幕前までに獲得した選手をみても、クロップの好みがよく分かる。ジョルジニオ・ワイナルドゥム、サディオ・マネ、アレックス・オクスレイド・チェンバレン、アンドリュー・ロバートン、モハメド・サラーなど、走力、プレー強度、献身性など、クロップが求める要素を備えた選手ばかりだ。

 今シーズンの新戦力であるナビ・ケイタとファビーニョも同様で、ストーク在籍時は王様を気取っていたジェルダン・シャキリも、いまではすっかりハードワーカーに変身している。

GKとCBの補強は難航したが。

 しかし、GKとCBの補強だけはうまくいかなかった。クロップが絶対の自信を持って獲得したカリウスは前述したとおりで、失意のうちにアンフィールドを去っていった。CBは2016-17シーズンに獲得したラグナル・クラバンが、スピード不足を理由に昨シーズン限りで構想外となり、ロジャーズ体制時からの戦力もクロップが満足できるタレントではない。

 ロシア・ワールドカップで男を上げたデヤン・ロブレンは自己評価が高すぎる。ジョエル・マティプは筋肉系のトラブルが絶えず、冬の市場で放出されても不思議ではない。

 こうした不安を一掃したのが、ことし1月にサウサンプトンからやって来たビルヒル・ファンダイクである。強く、高く、そして速い。天性のリーダーシップでジョー・ゴメス、トレント・アレクサンダー・アーノルド、ロバートソンといった若手の成長を促し、なおかつフィードも正確だ。

 ファンダイクの加入によって後方からのビルドアップが可能になり、磨きがかかりつつあるゲーゲンプレスの効果も倍増した。ちなみに昨シーズンのリバプールは、ファンダイクが加入するまでの21試合で24失点。入団後、今シーズン第10節までの25試合で14失点。顕著なデータが検出されている。

【次ページ】 「リバプールこそ心のクラブ」

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