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湘南でルヴァン制覇、A代表入りへ。
杉岡大暉の野心は“逆足”に宿る。
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph byAP/AFLO
posted2018/10/18 11:15
アジア大会決勝ではソン・フンミンとマッチアップするなど、杉岡大暉は着実に経験値を積んでいる。
ミスしたら次はない、の思い。
「もともと目指してはいましたけど、A代表も前よりは明らかに意識するようになった。そう思うようになったのは、(U-21)代表でも以前より中心に近い位置でやれるようになったのも要因だと思う。東京五輪はいよいよ2年後だし、そういう意味では継続的に選ばれることが一番。そこは近づくにつれて意識は高まっています」
準優勝に終わったアジア大会は、杉岡にとって手応えをつかむ大会となった。
大会に臨む上で気持ちの入り方が違った。森保一監督が就任したU-21日本代表において、これまで3月のパラグアイ遠征や5月のトゥーロン国際大会では自身のミスから失点を喫するなど、決して良いパフォーマンスを見せるには至っておらず、「本当に自分の中では、ミスして失点したらもう(次は)ないなというぐらいの気持ちで臨んでいた」と杉岡は振り返る。
結果を残さなければ、代表に呼ばれなくなる可能性だってある。アジア大会に対する思いは強かった。
左サイドでポジションを確保。
大きな手応えをつかむきっかけとなったのは、グループステージの第3戦ベトナム戦で試合中に3バックから4バックに変わる中でサイドバックを経験したことだった。これまでは開幕戦のネパール戦を含めて3バックの左を務めることが多かったが、「サイドのプレーを評価してもらえた」ことで決勝トーナメントからは左ウイングバックとして起用。結果的に全7試合中6試合に出場し、チームの主軸としてプレーすることになった。
「初めて代表であんなにコンスタントに試合に出させてもらったし、そういう意味では今までで一番手応えがあったと思う。特に代表ではサイドのポジションを今までやっていなかったけど、自分の力を発揮できたのは良かった」
サイドでプレーできたのは不幸中の幸いだった。ベトナム戦でチームの流れが悪くなっていなければ、プレーする機会もなかっただろう。そういう意味では幸運もあったわけだが、新たな成果を得ることによって確かな自信をつかんだことは間違いない。