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ロナウドを止める方法はコレだ!
CLとセリエAの対策を仏誌が検証。
text by
ティエリー・マルシャン with フレデリック・エルメルThierry Marchand avec Frederic Hermel
photograph byInside/Panoramic
posted2018/10/08 11:00
チャンピオンズリーグの通算得点ランキング1位のCR7。ライバルのメッシを20点近く離してのダントツのトップである。
CLでのメッシとロナウドの違いとは?
ロナウドこそは、今日のCLになくてはならない存在である。
それは彼自身の存在の大きさもさることながら、リオネル・メッシとのライバル関係において常に語られ対比されるからでもある。
ロナウドがレアル移籍を果たした2009年、メッシはすでにスペインで絶対的な存在だった。国内得点記録は他の追随を許さず、自らの存在をアピールするためにロナウドには、レアルが連綿と伝統を築きあげてきたCLという活躍の場が必要だった。
たしかにメッシはここ最近のシーズンでも、大きな試合で得点を決めてはいる。だが、たとえばCL準々決勝では、10試合連続無得点である。
ロナウドは違う。メッシは通算でも準々決勝では10得点であるのに対しロナウドは23得点。うち11点は最近3シーズン(2016年の対ヴォルフスブルク戦で3得点、2017年対バイエルン戦で5得点、2018年ユベントス戦で3得点)のものである。
準決勝となるとさらに違いは鮮明だ。メッシの4得点に対しロナウドは13得点。
決勝も同様で、昨季のリバプール戦で無得点に終わったのがほぼ唯一の例外で、出場したそれ以前の4試合では、プレー(通算4得点)なりPK戦(2016年)なりで常にゴールを決めて、決定的な役割を果たしている。
「個人的には誰にも不可能だ!」
はたして誰がロナウドを止めることができるのか?
「個人的には誰にも不可能だ!」と、ロナウドを《超ド級のバズーカ》と称したジェローム・ボアテンクはいう。
マルチン・バスケスによれば、ロナウドと同等な能力を持つストライカーのいるチームだけが、彼の破壊力を軽減することができる。マルチン・バスケスはメッシ、ネイマールに加えてムバッペと、意外なことにベンゼマの名前をあげている。
ダ・フォンセカが指摘するのは、カバーニ、ムバッペというストライカーを揃えたパリ・サンジェルマンの可能性である。
「PSGはどこからでも攻撃ができるし、誰もが点を決められる。ただ、グループリーグの相手、マンチェスター・ユナイテッドとバレンシアも侮れない。彼を止めれば、それだけでひとつの歴史になる」
どこがそれを実現するのか。
それともロナウドは、今季もCL得点王の座を守り続けることができるのか。
新たな戦いがこれから始まる。