フランス・フットボール通信BACK NUMBER
ロナウドを止める方法はコレだ!
CLとセリエAの対策を仏誌が検証。
text by
ティエリー・マルシャン with フレデリック・エルメルThierry Marchand avec Frederic Hermel
photograph byInside/Panoramic
posted2018/10/08 11:00
チャンピオンズリーグの通算得点ランキング1位のCR7。ライバルのメッシを20点近く離してのダントツのトップである。
ロナウドが開花したのはレアルでの話。
ロナウド自身も渇望して止まなかった初受賞は、2008年にマンチェスター・ユナイテッドで得点王を獲得したときだった。
6年前からロナウドは、《ミスター・チャンピオンズリーグ》の称号を戴いている。5回の優勝と通算120得点は、ともに史上最多記録(チャンピオンズカップの時代を除く)である。
だが、そこに達するまでには時間がかかった。
マンチェスター・ユナイテッドの時代には、彼は7年間でわずか15ゴールしかあげていない。しかもその大半は2007~'08シーズンのものである。
決定力が全面的に開花するのはレアルに移籍してからであった。
レアルのCLでの好成績と彼のゴール量産には明らかな相関関係がある。2011年以降、レアルは毎年必ず準決勝に進出し、うち4回は決勝に進んだ。試合数の増加は、ロナウドにさらなる活躍の場を与えたのだった。
彼をサポートする選手たちを止めるべき。
「クリスティアーノはゴールへの強い執着がある。強迫観念とすらいえる」と、80年代のレアルで“キンタ・デル・ブイットル(当時著名だった攻撃カルテットの呼び名)”の一角を形成していたラファエル・マルチンバスケスは説明する。
「その強迫観念は、レアルとCLの関係の中にDNAとして組み込まれている。ロナウドの才能が輝いたのは、そうした環境と無縁ではない。ヨーロッパでレアルほどの攻撃的ポテンシャルを持つチームはまずないからね」
それではユベントスへの移籍で、彼がこれまで築いてきた流れは断ち切られてしまうのか?
「それはよくわからない」とマルチン・バスケスは言う。
「彼にとっては守備が固いうえに適応に時間がかかるセリエAでゴールを決めるよりも、CLで得点する方が容易いのではないか。彼を止めようとしたら、彼自身よりも周囲で彼をサポートする選手たちを止めなければならない」