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原口元気には“アニキ力”がある?
宇佐美の次は浅野拓磨を刺激中。
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byGetty Images
posted2018/09/19 07:00
原口元気は9月15日のライプツィヒ戦では浅野拓磨に代わって途中出場した。コンディションは上がりつつある。
「元気くんの存在は新鮮というか」
ビルバオ戦で浅野はゴールを決めるとともに、もう1得点に絡み、チームは2-0で勝利。新加入ながら開幕に向け上々の仕上がりを見せた。持ち前のスピードを生かしてくれるパスが出てくるあたり、チームメイトからの信頼、理解を得ていることをうかがわせる試合だった。
試合後のミックスゾーンでのこと。昨季シュツットガルトで苦戦してW杯メンバーからも落選した。それを振り切るような、心機一転という気持ちなのでは? という趣旨の質問に、浅野はこう答えた。
「そうですね。まあ、自分にとって元気くんの存在も逆に、新鮮というか」
質問の答えとしては、少しずれている。だが、原口が果たしている役割が大きいことは伝わってきた。
「元気くんが海外でやっている姿を見るのは、自分の中で新鮮味がある。海外でやる上で僕が足りていないものを持っているし、それを近くで見ながらやれているので、心強いです。1人でやっていたらどうなのかとは比べようがないですけど、元気くんの存在の大きさを感じています」
日本語で軽口を叩ける関係性。
そう言えば以前、宇佐美も原口について似たようなことを口にしていた。
「こんな風にジムで過ごしたり、食事を摂っているんだと、チラ見して吸収しようと思ってました」
浅野と宇佐美の口ぶりから察するに、原口のトレーニングは相当ストイックなものだと感じ取れる。それだけでなく、日本代表のチームメイトが海外で過ごす日常の姿を見るのは、選手たちにとっては想像以上に刺激的なのかもしれない。
このインタビューの最中、試合には出場しなかった原口が広報に連れられてやってきた。「俺も答えるの?」と言いながら、携帯電話に浅野のインタビュー風景を収め始める。
それを見て浅野は「なんか余計なことしてますね」と笑顔を絶やさない。こんな風に日本語で軽口を叩ける関係性が身近にあるというのは、もし今後つらい状況に追い込まれたとしても、何らかの助けになるはずだ。