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原口元気には“アニキ力”がある?
宇佐美の次は浅野拓磨を刺激中。
posted2018/09/19 07:00
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph by
Getty Images
もしかしたら、原口元気には“アニキ力”があるのではないか。
そんな思いが浮かび上がったのは昨季のことだった。
今年1月、原口がフォルトゥナ・デュッセルドルフに移籍するやいなや、宇佐美貴史は調子を上げた。後日になって「元気くんが来たから、調子良くなったって書かんといてくださいよー」と宇佐美本人から言われたが、実際にリスペクトの言葉が口をついてきたことは以前のコラムでも書いた。
4戦連続得点を決めるなど結果もついてきたことで、宇佐美の表情も一気に明るくなった。そして2人そろってロシアW杯にも出場した。
浅野が口にした原口の存在感。
それから数カ月、原口元気に“アニキ力”があると確信したのは、8月11日のことだ。ハノーファー対アスレティック・ビルバオの親善試合後、今季からチームメイトとなった浅野拓磨が、こちらが尋ねていないのに原口から受けている影響について話し出したからだ。
原口は仲間の中でアニキ的なリスペクトを集める選手なのだ。「“アニキ力”って何、そんな表現はないでしょう」と言われたらその通りだが、そうとしか表現できないパワーを持っているのだ。
ただおそらく、古くから原口を知っている人ほど意外に思うのではないか。浦和時代は練習で激昂したこともあったし、その一方で感情的で涙もろいことでも知られた。血気盛んでやんちゃな男の子だったのだ。
それが年月を経て、今やアニキ的な役割を自然とこなす。成長、大人になったといえばそれまでだが、なんだかこちらも涙が出てきそうだ。