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変革期で揺れるフランクフルト。
こういう時こそ長谷部誠が必要だ!
posted2018/08/28 11:00
text by
本田千尋Chihiro Honda
photograph by
AFLO
“情熱”は、衰えを知らない。
「まだまだこう成長できる感覚っていうのは、特にこの近年、この数年ね、かなりこう自分の中で良くなってきている部分はあるから、本当に、クラブに集中してね、やっていきたいなと思います」
夏の西日が深く差し込むコンメルツバンク・アレナ。アイントラハト・フランクフルトのMF長谷部誠は、前を見据えた。
8月12日、シーズンの始まりを告げるスーパーカップで、フランクフルトはバイエルン・ミュンヘンに0-5で完敗。ポーランド代表FWロベルト・レバンドフスキに、ロシアW杯の鬱憤を晴らすようなハットトリックを食らった。
長谷部は3バックの中央=リベロのポジションで先発したが、プレーにいささか精彩を欠いた。7月の下旬にチームに合流して、まだ2週間ばかり。コンディションは上がり切っていないのだから、無理もない。
「後半4バックにして、少し個人的にもそうだし、チーム全体としてもミスがかなり多くなって、3点目のところで自分がボールを中盤で奪われてそのままカウンターでやられたので、ああいう3点目で、まあ、勝負が決まった部分がありましたね」
スーパーカップでフランクフルトが「崩壊」。
調子が整っていなかったのは、長谷部だけではない。チームそのものが、昨季のドイツカップ決勝戦でバイエルンを打ち破った力強い姿からは、程遠かった。
翌日、『フランクフルター・アルゲマイネ』電子版は、次のように報じた。
「アイントラハトの崩壊が痛みを招く」
スーパーカップでフランクフルトが「崩壊」したことには、理由がある。
ドイツカップ優勝の立役者となった監督、選手数名が、昨季限りでチームを去っていたからだ。