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変革期で揺れるフランクフルト。
こういう時こそ長谷部誠が必要だ!
text by
本田千尋Chihiro Honda
photograph byAFLO
posted2018/08/28 11:00
多くの選手が流出し、監督が代わり、チームが変革期を迎えているからこそ……長谷部誠という男の存在が重要になってくる。
チームを最も知る者としての役割が。
そしてその長谷部の重要性は、コバチ体制からヒュッター体制に移り変わった今季も、変わらないだろう。
単に新監督が前監督のサッカーを部分的に踏襲し、長谷部に与えられるポジションと役割が変わらないからという、それだけではない。
監督が交代し、選手たちが入れ替わり、フランクフルトがちょっとした混乱期にある今、コバチ監督のコンセプトを熟知する選手として、何より長く在籍する者として、チームをまとめ上げるために果たすべき責任がある、ということだ。
そうしたことを知るからこそ、長谷部は「こういう時に自分の経験をチームに注入していきたい」と話したのだ。
やっと今季はクラブに集中できる!
ロシアW杯を終えて、日本代表からは退いた。だが、長谷部のサッカーに対する“情熱”は、衰えを知らない。
今季はクラブに集中できる。
昨季のドイツカップ優勝で掴んだ、ヨーロッパリーグに対するモチベーションは高い。
「今シーズンは、ブンデスリーガだけじゃなくて、ヨーロッパの舞台でも戦えるので、やっぱり、そこに対するモチベーションっていうのはすごく強いし。本当に数多くの試合がある分、代表ウィークの中断期間の時に少し休める、調整できるっていう部分では、もちろんその時間は貴重だなと思うし、本当にクラブに、しっかりと集中できるかなと思います」
そして何より、まだまだ選手としての課題、成長できる伸びしろを、考えたり感じたりするのだという。
「成長できる感覚がなかったら、おそらくね、もちろんサッカー辞めると思うし。(リベロの)ポジションであったり、ここフランクフルトに来てから特にね、チームの中心としてプレーできていますし、自分のこのチームの中での役割っていう部分で、責任もやりがいも、すごく感じているし。色々なことを経験してきた分、ピッチの中ですごく落ち着いてできている部分もあります」