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デブライネ離脱も絶好調のマンC。
ただしペップも白旗の懸案が2つ。
posted2018/08/25 09:00
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph by
Getty Images
「計り知れないダメージだ」
ケビン・デブライネの重傷に、マンチェスター・シティを率いるジョゼップ・グアルディオラ監督の表情が曇った。昨シーズンのプレミアリーグ・アシスト王であり、シティの攻撃を優美に、かつ泥臭く彩る名手は、8月14日の練習中に右ひざ外側側副靭帯を負傷。およそ3カ月の戦線離脱を余儀なくされた。
「デブライネの欠場は、シティに少なからぬ影響を及ぼす」
英国メディアの意見は一致している。かつてのイングランド代表で、現在は情報番組の論客として知られるガリー・リネカー、ガリー・ケーヒル、ジェイミー・キャラガーも、「戦力ダウンは否めない」と口を揃えた。
筆者も同意見だ。何しろデブライネにはこれといった欠点が見当たらない。シティにおけるパフォーマンスは、ベルギー代表の彼よりも4~5倍ハードだ。
それほどの男が欠場するのだから、ダメージとか戦力ダウンとか、ありふれた表現で片が付くような問題ではないと考えていた。
ベルナルド・シウバが穴を埋めた。
しかし、そんな周囲の心配は杞憂に終わるかもしれない。
イメージ、練度、破壊力など、シティの攻撃は相変わらず素晴らしい。連動性にも溢れ常に積極的だ。とくに、「ダビド・シルバの後継者」と期待されるベルナルド・シウバがプレシーズンマッチから好調で、デブライネの穴をよく埋めている。
昨シーズンはウイングに起用されてやや戸惑っていたが、巧みな重心移動によってマーカーをかわすタイプだけに、中盤インサイドの方が個性を発揮しやすいようだ。ボールによく触り、足を止めず、攻守の切り替えも数段レベルアップした。