フランス・フットボール通信BACK NUMBER
仏代表を“本物のチーム”にした男。
誇り高きリーダー、ポール・ポグバ。
text by
トマ・シモン with フランソワ・ベルドネThomas Simon avec Francois Verdenet
photograph byRichard Martin
posted2018/08/02 17:00
ピッチ上では厳格で献身的なリーダーとして振る舞っていたポグバ。優勝後のロッカールームでは、誰よりも喜びを爆発させていた。
「自分と家族、僕らの国を誇りに思う」
W杯本番から遡ること2カ月前の5月半ば。
マンチェスターの彼の自宅で行われた『フランス・フットボール』誌のインタビューで、彼は読者に向けてこう語っている。
「カレンダーの7月15日(ワールドカップ決勝の日)に印をつけてくれ。その日に皆さんと再会することを僕は約束する」
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同様の言葉をその後も彼は繰り返し口にしてきた。準決勝のベルギー戦の後ではこう語っている。
「サポーターとともに決勝に進みたかった。ずっとそう思い続けて、それが実現できてとても嬉しい」
そして優勝が決まった後では次のように述べたのだった。
「自分と家族、それに僕らの国を誇りに思う(試合終了のホイッスルの後、彼は母親や兄弟たちとピッチ上で喜びを分かち合い、昨年亡くなった父親に勝利を捧げた)。
僕らは歴史に名を残した。子供のころの夢が実現したんだ。
そして世界チャンピオンになった今、自分が以前とは同じでないこともわかっている。そのことにも慣れていかねばならないことも……」
冷静かつ謙虚に自分を見続けられる限り、ポグバはこれからもずっと成長し続けていくことだろう。