フランス・フットボール通信BACK NUMBER
仏代表を“本物のチーム”にした男。
誇り高きリーダー、ポール・ポグバ。
text by
トマ・シモン with フランソワ・ベルドネThomas Simon avec Francois Verdenet
photograph byRichard Martin
posted2018/08/02 17:00
ピッチ上では厳格で献身的なリーダーとして振る舞っていたポグバ。優勝後のロッカールームでは、誰よりも喜びを爆発させていた。
「本物の大黒柱であり本物のリーダー」
「メンタルの強さと、選手として、人間としての成熟、そして技術の高さ……。彼はすべてを持っている。
重要な場面で頼りになる存在だ。チームを鼓舞すべき場面で彼は必ずそうしている。
とりわけ困難な状況に陥って、そこから脱しなければならないときに大きな力を発揮する。本物の大黒柱であり本物のリーダーだ」(ラミ)
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セレモニーの後、歓喜と熱狂に溢れた瞬間にも、優勝トロフィーを抱えながら得意のDABダンスで彼はチームを盛り上げた。そしてロッカールームに戻ると、祝福のためピッチからついてきたエマニュエル・マクロン大統領まで巻き込んで、一大騒ぎを繰り広げたのだった。
仏大統領を巻き込んでの大騒ぎ!
「大統領閣下、僕らはここにいます。これからショータイムが始まります!」
その掛け声とともに騒ぎが始まった。
大統領にトロフィーを掲げさせようとし、大統領の前で歌い踊り、ロッカールームは最終的には大統領まで巻き込んでの興奮の坩堝と化すまでとなった。
ただ、そうした中でも、ポグバ自身は他方で自分を冷静に見つめていた。
「僕は決してボスじゃない。仲間たちなしには僕もあり得なかった。
僕らは本物のチームだ。
いつも試合の後には、このままずっと一緒にいれたらと、誰もが思いを告白していた。成功できたのは、僕らが気持ちをひとつにしようとして、それを成し遂げることができたからだ。僕らは全員で自分たちの限界にまで行きつくことができたんだ」