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仏代表を“本物のチーム”にした男。
誇り高きリーダー、ポール・ポグバ。

posted2018/08/02 17:00

 
仏代表を“本物のチーム”にした男。誇り高きリーダー、ポール・ポグバ。<Number Web> photograph by Richard Martin

ピッチ上では厳格で献身的なリーダーとして振る舞っていたポグバ。優勝後のロッカールームでは、誰よりも喜びを爆発させていた。

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トマ・シモン with フランソワ・ベルドネ

トマ・シモン with フランソワ・ベルドネThomas Simon avec Francois Verdenet

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Richard Martin

 リーダーの不在は、フランス代表の弱点のひとつとして、長く指摘され続けてきたことだった。ディディエ・デシャンが指揮を執るようになってからは、ユーゴ・ロリスが一貫してキャプテンを務めてきたが、ロリスは人格者であっても強力なリーダーシップを発揮するタイプではない。代わって監督のデシャンが、ベンチからピッチ上の選手たちに代わりリーダーシップを体現するのがここまでのフランス代表であった。

 だが、ロシアワールドカップを最後まで戦い抜いたことで、その状況にも変化が生まれようとしている。ひとりの選手が、新たなリーダー候補として浮上した。それがポール・ポグバであった。

『フランス・フットボール』誌7月17日号は、2度目のワールドカップ優勝を果たしたフランス代表を大々的に特集する中で、チームとともに個人としても大会中に成長を遂げたポグバを取りあげている。はたしてポグバは、待望久しかった“レ・ブルー(フランス代表の愛称)”のリーダーになり得るのか。トマ・シモン記者が分析した。

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監修:田村修一

最後までチームのために戦ったポグバ。

 ポール・ポグバはもはやかつての彼ではない。

 このワールドカップで彼は大きく変わった。それは、サッカー選手としての成長であると同時に、ひとりの人間の成長でもあった。

 チームのために戦うようになったというのが、ロシアでの彼に対する評価である。数字がそれを示している。大会を通して彼が戦い(デュエル)に勝った回数は58回で、参加したすべての選手の中で最多である。

 ポグバは言う。

「守備は本当に楽しいんだ。“NG(カンテの愛称)”やブレイズ(マテュイディ)とバランスを取りながら、あるいはサイドで“キキ(ムバッペの愛称)”と連携しながらバランスを取っていく。誰もが惜しみなく走って攻めて守る。僕らの力はそれでより強くなる。

 たしかに守備は僕の長所ではない。僕は“NG(カンテ)”ではないけど、それでも全力を尽くす。その点で成長したと思うし成熟もした。チームメイトも助けてくれる」

【次ページ】 「監督とチームが僕を成長させた」

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