“Mr.ドラフト”の野球日記BACK NUMBER
第100回甲子園でHR新記録なるか?
野手ドラ1候補勢揃いで超打撃優位に。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byKyodo News
posted2018/08/01 17:00
大阪の予選でもその打棒が爆発していた大阪桐蔭の藤原恭大。果たして甲子園で何本の本塁打を放つか?
強豪・日体大相手に藤原の豪打爆発。
日体大は昨年の明治神宮大会・大学の部で優勝した強豪校で、春のリーグ戦は3位に終わったが投手全員が防御率0~1点台という安定感を誇っていた。
その強力投手陣に対して藤原はダブルヘッダーの第1試合で1番・中堅手でスタメン出場し、1死三塁で迎えた第2打席、スリークォーターの右腕、森博人(2年)の外角球を左中間に運んで1点を返している。
森は6日後の明石商との練習試合でも登板し、このときのストレートの最速は146キロ。横変化のスライダーのキレもよく、私は2年後のドラフト候補と評価しているが、この森を藤原はまったく苦にせず、キャッチャー寄りのミートポイントで逆方向に長打(二塁打)しているところに成熟した大人の部分を感じている。
第4打席は技巧派左腕、春田優成(3年)の甘いスライダーをフルスイングで捉え、ライト方向へ打った瞬間にわかるホームラン。
相手が大学生で、昨年秋の全国優勝校であることを考えれば、藤原の実力はライバルたちより頭1つ抜けていると言っていい。
徹底的に警戒されている根尾昂。
ちなみにこの日体大戦では、根尾も4番・遊撃手でスタメン出場していた。
5打席中、四球1、死球2でわかるように徹底的に警戒されているが、無死一塁で迎えた第5打席では最速151キロの速球派、北山比呂(3年)と対戦して、ストライクゾーンに入ってくる球はすべてフルスイングで応えるという迫力で目を引いた。6球目を打ってレフトライナーに倒れ、一塁走者が帰塁できず併殺に終わるが、打球の速さは藤原に負けていなかった。
小園は2年前の兵庫大会2回戦、須磨翔風戦のバッティングが忘れられない。
今季、阪神の先発投手陣の一角に収まっている才木浩人と対戦、第2打席は1ストライク後のスライダーをセンター前に弾き返して一塁到達は4.18秒、第3打席は初球ストレートをやはりセンター前に弾き返して一塁到達は4.20秒という俊足ぶり。
私は「俊足」を打者走者の一塁到達は4.3秒未満を目安にしているが、クリーンヒットを放って4.3秒未満というのはそう多く見られない。高校卒2年目で阪神先発陣の一角を占める才木の現在の姿と、1年生だった2年前の小園の姿を重ね合わせれば、その野球センスの高さが自然と浮き上がってくる。