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W杯中、仏代表がホテルで大騒動!
超一流シェフに抱腹絶倒記者会見も。
text by
フランソワ・ベルドネFrancois Verdenet
photograph byPierre Lahalle
posted2018/07/31 07:30
連日フランスメディアを賑わせた、フランス代表チームの記者会見風景。コメディアンばりに面白い選手も!
監督もアルデンテに異常にこだわった。
パスタは彼の得意料理のひとつであり、素材となる麺もオリーブオイルもすべてフランスから持ち込んであった。
冷製パスタやサラダ、温かいボロネーズやキリアン・ムバッペとウスマン・デンベレの大好物であるバジルソースあえなど、すべての食事に様々な調理方法でパスタは提供された。
フランク・ルガール医師とともにディディエ・デシャンも、食事には気を遣っていた。とりわけパスタに関しては、デシャンのこだわりは並大抵ではなかった。
'98年フランスワールドカップの際にユベントスに所属していた彼は、大会前に代表の料理人たちをわざわざイタリアで合宿させて、アルデンテの茹で方を学ばせたのだった。彼らがそこで会得したレシピは、絶品であったという。
大会屈指の面白さだった記者会見。
ウルグアイ戦の前々日会見に出席した選手はブレイズ・マテュイディとアディル・ラミだった。
しかしマテュイディは準々決勝出場停止、ラミはフィールドプレイヤーのなかでただ1人、ここまで1度もピッチに立っていなかった。会見が始まるまでメディアは、「チームスタッフによる晒しもの会見」などと揶揄していた。
だが、いざ始まってみると、それはムバッペおよびポグバの会見と並んで、大会中にイストラでおこなわれた最も素晴らしい会見のひとつとなったのだった。
とりわけそれは、あるジャーナリストとのやりとりの中で、自身を「お調子者(あるいは道化師)」と呼んで揶揄したラミのワンマンショーによるところが大きかった。
「僕の後にはブレーズが控えている。でも彼はあまりからかわないでくれ!」と彼は記者たちに懇願した。ところが次に現れたマテュイディも、ラミに負けず劣らず茶目っ気に溢れていた。
おもむろに演壇に登場した彼は、まるで教師のようにメディアに向かってこう語りかけた。
「教科書を開きなさい。8ページの練習問題の4番から始めます」