フランス・フットボール通信BACK NUMBER
W杯中、仏代表がホテルで大騒動!
超一流シェフに抱腹絶倒記者会見も。
posted2018/07/31 07:30
text by
フランソワ・ベルドネFrancois Verdenet
photograph by
Pierre Lahalle
前回に引き続き、今回も『フランス・フットボール通信』はフランソワ・ベルドネ記者によるロシアW杯のフランス代表取材ノートをお送りする。「フランス代表とまるで共に過ごしたかのように感じられる1週間」のサブタイトルが付いたこの短期集中連載は、『フランス・フットボール』誌7月10日発売号でも興味深いエピソードに溢れている。
監修:田村修一
大事な試合の前の大騒動。
フランス代表チームのスタッフたちは、情報が外部に漏れることを極度に恐れている。
だが、準々決勝のウルグアイ戦に勝利する以前の夜のことは、さすがに内部だけに留めてはおけなかった。というのも、もし負けていたら、それが大きな波紋を呼んでいたのは間違いないほどの事件だったからだ。
アルゼンチン戦(6月30日)で勝った翌日、正確に言えば日曜(7月1日)の夜から月曜の早朝にかけて、何人かの選手がオフを取りたいとスタッフたちと交渉した。朝3時までに帰宅という条件で監督のディディエ・デシャンから許可が下り、選手たちはキャンプ地のイストラから小一時間のモスクワへと、小粋な夜を過ごすために出かけていったのだった。
彼らが乗り込んだ車は、窓にスモークが張られたミニバンだった――さほど周囲を気にすることもない隠密行動。
それがねじれてしまったのは、「ビーインスポーツ(フランスのテレビ局)」が彼らの動きに気づいたからだった。
その選手たちのオフの過ごし方にまつわる内容のテレビ放映を阻止するための戦いが、ホテル「ヒルトン・ガーデンイン」のロビーで繰り広げられたのだ。