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W杯中、仏代表がホテルで大騒動!
超一流シェフに抱腹絶倒記者会見も。
text by
フランソワ・ベルドネFrancois Verdenet
photograph byPierre Lahalle
posted2018/07/31 07:30
連日フランスメディアを賑わせた、フランス代表チームの記者会見風景。コメディアンばりに面白い選手も!
消防署もスタッフも監督も大慌て!!
当初、選手たちは酔っぱらった様子こそなかったものの、かなり興奮気味ではあった。
テレビクルーとの口論のさなかに誰かが誤って火災報知機のボタンを押し、ホテルの消火装置が作動し始めた。
およそ15分後には、イストラの消防署にも情報が伝わった。
騒ぎに気づいたスタッフたちも寝室から慌ててやって来た。何人かはパジャマ姿か、寝ていたままの軽装でロビーをうろついた。やはりパジャマ姿のデシャンは、むすっとした表情で当事者たちをその場に集めて話をしていたが……。
結局その後、フランスはウルグアイに勝って準決勝に進出したこともあり、当事者である選手たちには何のお咎めを受けることもなかったのだった。
グリーズマンが大事にする“奇妙な器”。
ウルグアイと戦った地、ニジニノブゴロドにあるスタジアムのリラックスルームに、ひょうたん型の姿で“それ”はそそり立っていた。
木製のその容器はマテ茶(南米の伝統的なお茶)を沸かし保存する道具で、「ボンビージャ」と呼ばれる金属製のストローとともに普段はアントワン・グリーズマンが肌身離さず持っているものである。
ウルグアイ人たちが嗜好するマテ茶はグリーズマンの大好物だった。そしてウルグアイとの準々決勝は、普段親しくするもの同士の戦いでもあった。
だが、試合の数日前からグリーズマンの携帯は電源が切られ、アトレティコ・マドリーのチームメイトで娘ミアの名づけ親でもあるウルグアイ代表のディエゴ・ゴディンとホセ・ヒメネスからの連絡はすべて遮断された。
試合の5日前に行われた会見で“グリズー(グリーズマンの愛称)”は、ウルグアイへの親近感を切々と訴えた。彼らに敬意を抱くからこそ、試合でムスレラのミスにより自らがゴールを決めた後も喜びを表さなかった。