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W杯ロスに見逃し配信はいかが?
マルチアングルで超絶技巧を再び!
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byTakuya Sugiyama/JMPA
posted2018/07/17 17:00
ベルギーの高速カウンターを様々なカメラ視点で見ると、個人能力と連動性が高い次元で融合しているのがよく分かる。
コウチーニョ、モドリッチのゴラッソ!
まずはブラジルvs.スイス戦。ブラジルMFコウチーニョがグループリーグ初戦スイス戦で決めたスーパーミドル。これはぜひ「逆サイド低位置」の視点で見て欲しい。クロスのこぼれ球を拾ったコウチーニョが左サイド45度の位置から右足を一閃する。
シュートコースを消しに行ったスイス守備陣は3人。彼らを避けるように飛んだボールは明らかに枠外かと思った瞬間、急激な回転で曲がり落ちる。GKが必死に伸ばした両手も届かず、ポストをかすめてゴールネットに収まる。コウチーニョの高すぎるキックスキルには目を奪われるばかりだ。
そのほかにも定点で見たいスーパーゴールは数多い。スペインvsポルトガルのナチョ、フランスvs.アルゼンチンのパバールが決めたボレーシュートも同じアングルで見ると爽快感抜群だ。
また大会MVPに輝いたモドリッチのアルゼンチン戦でのミドルシュートは「低位置ゴールカメラ(左)」がおススメ。相手マーカーを惑わすファーストタッチからのキックフェイント、切り返し、そして右足インフロントキック。すべての技術が正確無比である。
せっかくなので、日本のゴールも挙げたい。乾貴士がベルギー戦で見せた無回転ミドルも、「逆サイド低位置」で見ると凄まじさがよくわかる。ボール1個分でもズレれば大会ベストGKクルトワの手が届くか、ゴールポストである。“ここしかない!”というコースに蹴り込んでいたのだ。
スペースが一目瞭然な「戦術カメラ」。
こういった個人能力とともに、今大会を象徴したのが高速カウンター。ドイツを沈めたメキシコ、そして日本とブラジルを絶望の淵に落としたベルギーがその代表格だろう。これを存分に堪能するなら真上からの「戦術カメラ」が最適だ。
この「戦術カメラ」、これまでのサッカー中継では最も見たことがないアングルだ。ピッチを真上から、しかも縦視点でとらえている。フィールド全体を見渡すことができ、ボールを持っていない選手のポジショニングや、スペースをめぐる駆け引きが一目瞭然なのだ。