月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
西野ジャパン、ボール回しの絶望と希望。
日本のマスコミが考えるべき課題とは。
posted2018/07/02 17:00
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph by
Asami Enomoto/JMPA
6月はなんと言ってもサッカー・ワールドカップロシア大会であった。
しかもスポーツ新聞的にも大事件が起きた。そう、日本対ポーランド戦の後半約10分の日本の時間稼ぎ、ボール回しである。
あのプレーをどう見たか。スポーツ新聞はやはり読みごたえがあった。
スポーツ報知は、
「観客大ブーイング W杯史に残る『ボルゴグラードの恥』なのか? 負けていても他力でもボール回し」
と題し、ロシアW杯取材記者5人がそれぞれの観点で「賛成、反対」を論じた。これが見開き2ページで、まさにワールドカップ級の企画!
賛成派の記者は、
「周り気にしない鈍感力で負け逃げ遂行」
「まだ弱小国の日本が泥水をすすってでも決勝Tに進むために見せた覚悟に、熱いものを感じずにはいられない」
「(集客でライト層をどう取り入れるかを考えた場合)この結果は少なからずJリーグの発展、活性化にもつながる」
反対派の記者は、
「そこまで勝ち上がることにこだわっていたならば、なぜ先発を6人も入れ替えたのか。(略)相手は格上のポーランド。この条件で引き分け以上の結果を得られると判断したのならば、甘い」
「ポーランド戦の終盤、日本代表が取った時間稼ぎは子供たちにどう映ったのだろうか。警告を恐れ、失敗を恐れていた」
まさにカンカンガクガク。
日刊スポーツもサッカー面は「突破14ページ大検証」と6月30日に報道。あの時間稼ぎについてはやはり意見は分かれた。