月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
西野ジャパン、ボール回しの絶望と希望。
日本のマスコミが考えるべき課題とは。
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byAsami Enomoto/JMPA
posted2018/07/02 17:00
ボール回しに賛否両論あるのは確かだが……ピッチ上では監督と選手たちの意識にまったくズレは無かった。
本田と長友が日本のメディアに苦言を。
さて「W杯とマスコミ」というお題で注目すべき案件があった。
スタメン情報漏洩問題である。
本田圭佑選手が29日に自身のツイッターで「メディアの皆さん ポーランド戦前にスタメンを公表してたけど、練習は非公開やったわけで。。。真実の追求するポイントがいつもズレてるよ。選手達も普段、後ろにファンがいるからと思って喋ってるんやから、もうちょっと考えてください」
そして長友佑都選手もマスコミに「どこから漏れたのか、どこで見ていたのか、それは分からないですけど、一緒に戦う日本人として、すごく残念な気持ちに選手みんな、なりました」「スタメンだけじゃなくて、もしあのオフサイドトラップがどこかで情報が漏れて知られたら、たぶん失点になっていたと思う。そういうのも含めて、力を貸してほしいなと思います」とマスコミに要望した。
日本のメディアは日本代表チームに助力しない!?
私は4年前のブラジル大会の時に読んだ『深読みサッカー論』(山本昌邦・武智幸徳)という本を思い出した。山本氏はトルシエジャパンのコーチ、武智氏は日経新聞のスポーツ記者。
このなかで、自国の選手に対する取材合戦はどこの国でも同じという前提の上で、マスコミには自国を勝たせるための仕事もがんばってほしいと山本氏は述べている。
《他国のジャーナリストを見ていると、記者会見などで、相手の選手や監督にストレスとかプレッシャーをかけるんですね。日本もそこを考えていくべきだと思うんですよ》(山本昌邦)
たとえば相手監督に「日本の選手で誰が一番イヤですか?」という質問をして相手に「意識」させる。日本のメディアが「ウチのあの選手にどうやって対処するのか」という質問もする。