ぶら野球BACK NUMBER
ロシアW杯の喧噪を抜けて……。
ぶらり鎌ケ谷で清宮幸太郎を見る旅。
posted2018/07/02 10:30
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph by
Yasutaka Nakamizo
サッカー、サッカー、雨、サッカー。
いきなり懐かしの「権藤、権藤、雨、権藤」みたいな書き出しになってしまったが、梅雨も吹き飛ばす勢いで4年に1度の祭典真っ只中だ。連日のサッカー観戦で寝不足が続いている。最近はそんなロシアワールドカップ中心の日常を送る方々も多いと思う。
自分も夕方からプロ野球ナイター観戦→W杯サッカー→風呂→ウイイレ→W杯サッカーみたいなルーティーンを繰り返す日々。
一昔前は強豪国のグループリーグは試運転が常識だが、今は各国戦力が拮抗しているため大会序盤から好ゲーム続出だ。結果、深夜や明け方に睡眠時間を削ってテレビやスマホにかじりつくことになる。
日本代表チームの善戦もあり、コロンビア戦のテレビ視聴率は48.7%を記録。世の中も凄まじい盛り上がりだが、ちなみに'94年のプロ野球“10.8決戦”中日vs.巨人戦は視聴率48.8%である。時代背景が違うので単純比較はできないが、あの頃のプロ野球は長嶋さんが言うようにまさに「国民的行事」クラスのパワーを持っていた。
そう言えば、W杯開幕前はスポーツ界の話題の中心はひとりの新人選手だった。
日本ハムのゴールデンルーキー清宮幸太郎である。
5月2日の一軍初昇格直後に連続試合安打をドラフト制後で単独トップの7試合にまで伸ばすも、21試合で打率.179と苦しみ、5月28日に二軍降格。5月末の交流戦開幕カード巨人vs日本ハム戦のチケットを取って東京ドームへ行ったが、すれ違いで背番号21は見られなかった。
今こそ“二軍の清宮”を見ておきたい!
6月に入り、その清宮がイースタン・リーグで本塁打を量産しているという。
今こそ、“二軍の清宮”を見ておきたいなと思った。だって、例えば「松井秀喜はプロ1年目にジャイアンツ球場で見たよ」的な体験談は野球ファン同士の飲み会でいい酒の肴になる。一軍じゃなく、二軍というのがまたレアだ。
清宮がそう遠くない未来、日本を代表する大打者になったら、「新人時代の清宮をイースタンで見た」というのは自慢できる気がする。よし、プロ野球とサッカーW杯に追われている今こそ、ぶらり二軍戦へ行こう!