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岡本和真は高3からモノが違った。
2本塁打の合間に、優しいミート。

posted2018/07/03 08:00

 
岡本和真は高3からモノが違った。2本塁打の合間に、優しいミート。<Number Web> photograph by Kyodo News

22歳ながら巨人の主砲へと成長した岡本和真。その打撃力は智弁学園時代から煌めいていた。

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安倍昌彦

安倍昌彦Masahiko Abe

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Kyodo News

 確か、おととしの年の暮れだったと思う。こんなことがあった。

 あるスポーツ新聞社の主催で、巨人ファンが集まり、その秋、終わったばかりの「ジャイアンツ・ドラフト」について検証しようという、実にマニアックかつエキサイティングな催しが行われた。

“説明役”として呼んでいただいた私は、その年の読売ジャイアンツの指名ぶりについて、忌憚のない意見を述べたわけだが、おそらく、本当のことを言い過ぎたのだろう。バリバリの“ジャイアンツ命”の参加者たちにかなり強烈に糾弾され、窮地に陥っていた。

 参加者たちの“追及”に、あれやこれや汗をかきながら答えているうちに、話はいつの間にか横道に逸れ、テーマは「大田泰示(現・日本ハム)はなぜ伸びない?」のほうに移っていった。

 私の答えは、「いや、伸びている。ジリジリと伸びている。使えば働ける実力は十分ある。使う気がないなら出してあげてほしい」だった。

 その場では、参加者たちの得心はあまり得られなかった雰囲気だったが、その少しあと、私の発言が“予言”のようになって、大田泰示は日本ハムに移籍した。現在は新天地でご案内のような活躍ぶりを見せているので、私はちょっとホッとしつつ、「良かったね」と祝福モードでプレーを見ている。

岡本の開花前から「だいじょうぶ!」

“大田泰示問題”がひと段落したところで、「じゃあ、岡本はだいじょうぶなのか!」。そんな動議が発せられた。

 当時、プロ2年目のシーズンを終えていた岡本和真は、まだ一軍で20試合、打率も2割足らずという手探りの状況。ファームでは「英才教育」のプログラムとしてクリーンアップを打つことが多かったが、それでも「和製大砲」の兆しを見せるほどの爆発力はまだ見せていなかった。

 にもかかわらず、私のその時の答えも、

「だいじょうぶ。まだ2年が終わったばかり。あと1年か2年、使えば働けます」

 その場しのぎの、口から出まかせだ!

【次ページ】 高3のセンバツで「モノが違う……」

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