ぶら野球BACK NUMBER
ロシアW杯の喧噪を抜けて……。
ぶらり鎌ケ谷で清宮幸太郎を見る旅。
text by
中溝康隆Yasutaka Nakamizo
photograph byYasutaka Nakamizo
posted2018/07/02 10:30
鎌ケ谷スタジアムのバックネット裏のシートにて。ひと足お先に「今年も夏が来た」と感じた瞬間。
新聞も雑誌もスマホじゃなく紙派だ!
普段は平日午前の遅い時間に電車に乗ることはまずない。
車内を見渡すと子連れのママさんたちの集団やお年寄りの姿も多く、のんびりとした空間で『スポーツ報知』を開いて熟読した。
ちなみに自分は新聞も雑誌もスマホじゃなく紙派だ。
例えば、芸術的レイアウトで情報が詰まっている新聞1ページにはWebで言ったら20URL分くらいの記事が詰まっている。いちいちひとつずつクリックする必要もなく、実は紙面で読んだ方が圧倒的に快適で速いのである。なんて言っている内に30分ほどで船橋駅に着き、東武アーバンパークラインに乗り換えて目的地へ向かう。
「育てて送り出す」チーム方針を感じる鎌ケ谷の風景。
立派な球場だな。
それがファイターズ鎌ケ谷スタジアムの第一印象だ。二軍球場と言えば、チケット売り場や売店も一軍本拠地とは雲泥の差……と勝手に思い込んでいたが、鎌ケ谷スタジアムの場合は各設備やデザイン面も含めしっかりした作りで、チームカラーで綺麗に塗装された球場の外壁には、過去に在籍した選手の巨大写真パネルが飾られている。
ダルビッシュ有や陽岱鋼といったここで育ち、メジャーリーグやNPB他球団へ移籍していった選手たち。まるで彼らは日ハム退団選手と言うより“鎌ケ谷卒業生”といった雰囲気だ。選手を育てて送り出す。そんなチーム方針が垣間見える風景だった。
チケットはバックネット裏シート1200円を購入。マスコット「カビー・ザ・ベアー」が描かれた階段を上がり入場すると、グッズ売り場横の鎌スタキッチンからいい香りが漂ってくる。
時計は昼12時過ぎ、大谷翔平の背番号11のレプリカユニを着た兄ちゃんの後ろに並び、“鎌スタ☆カレー”を選ぶ。
500円ぽっきり、安い。ジャイアンツ球場のカレーは800円もしたのに……なんて思いながら一気に完食。近くのテーブルにいるのは、近所の奥さまグループだろうか? 地域のお手頃な娯楽として機能しているプロ野球という感じが伝わってくる。