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本田「これが自分たちのサッカー」
日本を強くした提言&まとめループ。 

text by

寺野典子

寺野典子Noriko Terano

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photograph byTakuya Sugiyama/JMPA

posted2018/06/28 10:30

本田「これが自分たちのサッカー」日本を強くした提言&まとめループ。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama/JMPA

「西野朗監督がチームをまとめてくれている」と全幅の信頼を語る吉田麻也。日本のディフェンスリーダーには、海外からも称賛が集まっている。

吉田は西野監督のまとめる力を信頼。

 23人の選手が意見を述べ合ったからといって、チームが上手く回る保証はない。サッカー観や思考が違えば、まとまるものもまとまらない可能性だってあるだろう。しかし、選手が思いを吐き出すことにより、プラスの作用が生まれていると吉田は言う。

「他の選手がどう考えているかが明確になる。23人いるので、やっぱりそれぞれ思いもあるし、考え方やサッカー観も当然違う。バラバラになることもあるけれど、最終的に監督が『こうだ!』とまとめているので、チームのやり方を明確に示すことになる。それが今はうまく行っている」

 チームメイトの志向や思考を理解したうえで、監督が示すチームとしての方向性を共有できる。だからこそ、試合状況への対処にもブレがないのだろう。

「1試合1試合対戦相手も違うし、課題も出てくる。チームが大会を通して、1試合目よりも2試合目、2試合目よりも次3試合目ですけど、成長していくんじゃないかという期待値がすごくあります」と吉田はその手ごたえを感じている。

一番いいポーランドと戦うことになる第3戦。

 第3戦の相手となるポーランドは、すでにグループリーグ敗退が決まっている。しかし、FIFAランキング8位の強豪は侮れないと岡崎慎司は分析する。

「ポーランドは、ワールドカップに出場した経験が少ないから、ここまでの2試合は苦戦したんだと思う。3試合目になって、本来の力すべてを出してくると思う。だから、僕らは一番いいポーランドとやることになると思う。

 すごく難しい一戦になるはず。僕たちは厳しい状況にいるわけではないけれど、その状況は(過去2戦と)まったく変わらない。そんなに簡単にグループリーグ突破が決まるわけじゃない。自分たちにとっては、そこまで有利な状況にはいないと思う」

 吉田も同様に危機感を示した。

「ポーランドも国を背負って戦っている。ポット1で入ってきたチームだし、3連敗で帰るわけにはいかないというモチベーションもあるだろうし、プレッシャーもあるはず。

 僕たちは気持ちの部分の準備の方が大事になってくる。2試合で勝ち点4を取って、こうやって注目度も変わって、いい流れで来ていますけど、セネガル戦の後にも言いましたけど、まだ何も勝ち得たわけではない。ここで負けて敗退する可能性だって十分ある。そうなってしまったら、今までのこの2試合は何の意味もなくなってしまう。

 もう一回、僕自身もチーム全体としても、準備できているかどうか、繰り返し自分に言い聞かせて、チームとしても本当に戦う覚悟ができているか、問い質しながら2日間準備していきたいなと思います」

【次ページ】 「僕らは苦しい状況のほうが結果を出せる」

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