うまくいかない状況を織り込んで。

　自分たちのスタイルを封じ込まれたとき、次の手がなかったのがブラジル大会だったが、今大会の2試合では、試合状況に応じて冷静に対応できている。2度のリードを許しながら同点に追いついたセネガル戦では、苦境に陥っても、揺るがない自信が見て取れた。

「慌てないということが、自分たちのなかで大事になっている。だから、相手の出方がこうだとか、状況がこうだというときに、ピッチ内でうまく対応できている」と原口元気は言う。

　長友佑都も試合後に次のように語った。

「試合前のロッカールームで、1点取られる状況もある、うまくいかない状況が絶対に出てくる、でも頭はポジティブに行こうって、みんなで声を掛け合った。

　そういう状況でも不安になったり、ネガティブになりナーバスになるんじゃなくて、1点取られても問題ないという気持ちで入った。だから、先制されてもメンタル的にはまったくぶれなかった」

本田「メンバーに提言できる選手が多い」

　3大会連続出場となる選手も多く、長年海外での苦闘を経験した選手も少なくない。そういうベテランの存在が、チームに安定感と対応力をもたらしているのだろうか？

「そういうのはないかな。選手全員がみんな意見をいう。年齢に関係なく、『どうしたい』、『こうしたい』という意見がすごく出ている。

　それを長谷部さんや上の選手がうまくまとめてくれるというのはあるけれど、試合に出ている選手、出ていない選手、ひとりひとりが勝ちたいという気持ちで、意見を出し合っている」と原口が証言する。

　そして本田も、「やれることをやるセンス」について訊かれて、ポイントは対話だと話した。

「対話、一言で言えば対話ですよね。人の意見を受け入れることに西野さんの強みがあると僕は思っています。そして2018年のメンバーには、提言できる選手が多い。それがマッチしているのが、この2試合で形に表れた」

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