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本田「これが自分たちのサッカー」
日本を強くした提言&まとめループ。
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byTakuya Sugiyama/JMPA
posted2018/06/28 10:30
「西野朗監督がチームをまとめてくれている」と全幅の信頼を語る吉田麻也。日本のディフェンスリーダーには、海外からも称賛が集まっている。
「僕らは苦しい状況のほうが結果を出せる」
同時に「厳しい相手との決戦」について、吉田はこうも言った。
「ただ僕らは、簡単な状況よりも、追い込まれて苦しい状況のほうが結果を出せる傾向にあるので、悪くないかなと思います。日本で開催したワールドカップも大きなプレッシャーがあっただろうし、南アフリカも直前の期待値が低くて追い込まれていた。そういうときのほうが結果を出せるんじゃないかなと。
今回も似たようなケースだと感じています。それが日本に合っているのかもしれないですね。今はチームがより自信を深めていると感じますし、勢いも感じる。2試合戦っているので、まだ出ていない選手もそろそろ出たいとウズウズしていて。そういう他の選手のモチベーションもひしひしと感じていますし。いい方向に物事が進み始めているなと思います」
「強気なサッカーをしていこう」という西野流。
ポーランドに引分け以上でグループリーグ突破、たとえ敗れたとしても他会場の結果次第で突破の可能性がある。しかしキックオフを迎えるとき、日本が引き分けを狙う気持ちを抱くことはないだろう。
長友が語ってくれたセネガル戦前の西野監督の様子からも、それは想像ができる。
「試合前のミーティングで、西野さんは『強気でいこう。後ろに引いて戦うということは簡単かもしれない。でも日本らしいサッカー、前でポゼッションをしながら、失ったときはみんなで獲りに行くというような、強気なサッカーをしていこう』と何度も言っていた。
僕らもそれに勇気づけられるじゃないけど、よしやってやろうと。短い時間ですが、西野さんと、作り上げてきたそういうサッカーをやってやろうという強い気持ちがひとりひとりにあったと思います」
強気でありながらも、用心深さと警戒心も失わない。多様性は、戦術やプレースタイル、その仕事ぶりだけではない。メンタルもまた多様性を持たなければならないだろう。90分間は短いようでいて長いのだから。柔軟性のある強い芯をこのチームは持っているか。
真価が試される。