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格上スイスに「妥当な敗戦」なのか?
W杯直前の今こそガムシャラさを! 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byGetty Images

posted2018/06/09 12:00

格上スイスに「妥当な敗戦」なのか?W杯直前の今こそガムシャラさを!<Number Web> photograph by Getty Images

トップ下で先発したものの、本田圭佑は目立った見せ場を作ることはできなかった。

最終調整だとしても、もっともがけないか?

 コロンビア戦まではあと10日ある。心身のコンディションをピークに持っていくのは、まだ少し先になるだろう。日本だけでなくスイスの選手たちも、フルパワーでは戦っていなかった。

 それでも、スイスとは置かれた状況が違う。ウラジミール・ペトコビッチ監督が率いるチームは、3月にギリシャとパナマを下し、6月4日にはスペインと1-1で引き分けている。

 国内組だけで戦った昨年12月のE-1選手権を除くと、日本は昨年10月のハイチ戦からテストマッチで2分4敗である。スイス戦がW杯への最終調整との位置づけだとしても、もう少し抵抗できたのではないか。抵抗しなければならなかったのではないか。相手GKを慌てさせるシーンは、結局のところ前半5分だけだったのだ。

スイスの2点目に見た意欲的な姿勢。

 後半37分の2失点目は示唆に富む。CK後の攻から守への切り替わりで後れを取り、ハリス・セフェロビッチに至近距離からフリーで蹴り込まれたシーンで、アシストをしているのはサイドバックのフランソワ・ムバンジェだ。勝負どころを察知して相手ゴール前へ飛び出してきた彼の意欲的な姿勢に、日本は決定打を浴びせられたのだった。

 システムが3バックでも4バックでも、監督が交代したばかりでも、サッカーの原理原則は変わらない。FIFAランキング61位の日本に必要なのは、格上のチームに泥臭いまでに食らいついていく姿勢のはずだ。

 かくも危機的な状況にもかかわらず、相手より一歩先をいく、半歩でも先に戻るといったガムシャラさが感じられなかったことが、W杯への希望を打ち砕く。4年前の悔しさを晴らす、W杯で結果を残すといった気概は、どこにも見当たらなかった。

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