ワインとシエスタとフットボールとBACK NUMBER
西野朗監督に今一番大事なこととは?
トルシエが伝えた最後のアドバイス。
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byMutsu Kawamori/AFLO
posted2018/05/23 11:30
4月29日、リーガ・エスパニョーラのヘタフェを視察した時の西野朗・日本代表監督。東奔西走……短い時間ながら出来うる限り多くの選手を見て回っている。
「ローマはバルセロナのプレーを『破壊』した」
「勝つためにバルセロナよりも優れた、美しいプレーを目指すのも確かに重要ではあるが、ローマはバルセロナのプレーを『破壊』してバルサを破ったということを忘れてはいけない。
彼らはバルサよりプレーが優れていたから、美しいから勝ったわけではない。
私が2002年のワールドカップのベルギー戦やロシア戦で実践したように、日本の方が相手より明らかに実力で劣っていても、別の解決策、勝てる方法を模索することが絶対に必要だ。
そして、それは日本人だけで準備をしても、おそらく難しいだろう。
日本人の特徴なのだが……どうしても自分たちのロジックの中で考え方が閉じてしまうことが多いからだ。
西野氏はたしかに優れた監督だが、彼には日本のチームの経験しかない。ドルトムントの監督をやったわけでもなければ中国のクラブの経験もない。
日本人の監督、指導者は誰もが日本の中だけで働いているのが現状なのだから、代表が国際レベルで退歩しているのはある意味当然といえるだろう、残念だが……」
――日本サッカー界全体が、Jリーグやアジアを越えて世界ともっと直接的に向き合う必要があるということですね。貴重なご意見ありがとうございました。メルシー、フィリップ!