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小柄でも湘南・坂圭祐はデカいヤツ。
楽しんで浦和を完封、クールなCB。 

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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photograph byTakahito Ando

posted2018/05/05 07:00

小柄でも湘南・坂圭祐はデカいヤツ。楽しんで浦和を完封、クールなCB。<Number Web> photograph by Takahito Ando

パワープレーを仕掛けてきた浦和の槙野智章(左端)を抑える坂圭祐(左から2人目)。小柄なCBとして、どこまで高みに行けるか?

小さいCBだからこそ、できるプレーがある。

「174cmのCB」だからこそ、できることがある。長身CBにはない長所がある。

「並の選手だと動き直しは1回なのですが、興梠選手は2、3回はしてくる。そこに武藤選手や柏木選手が絡んでくる。そういう相手に駆け引きを最後までやり続けられたのは自信になったし、楽しむこともできた。マウリシオ、槙野選手とも駆け引きができた。やっぱり僕は小さいので、駆け引きで上回らないとこの世界で生き残っていけません。こうした経験を積み重ねて、地道に成長をしていくしかないんです」

 浦和戦のピッチ上には、大学時代から同じ「170cm台のCB」として憧れていた遠藤航がいた。ずっと映像で学んでいた相手が目の前にいる。初めて同じ空間で相手として見て、新たな発見もあった。

「(FWイ・)ジョンヒョプを相手にヘッドでバチバチやっていましたし、一番感じたのは『余裕』ですね。相手に対して常に狩りにいける距離感を保っていましたし、潰しにいくときのタイミング、準備において、そのどれもが凄く質が高い。僕もその質を上げて、将来的には遠藤選手のように真ん中、右、左、そしてボランチもできるようになりたい、と思っています」

 坂圭祐にとって、浦和戦はただのリーグ戦の1試合ではなかった。さらに成長していくために必要な要素が沢山詰まっていた試合だった。だからこそ、彼は心から楽しみ、成長を実感することができたのだ。

 この1試合をより価値あるものにするために……彼はJ1リーグで最も小柄な最終ラインの番人として、新たな一歩を踏み出した。さらに「楽しい」緻密な駆け引きを求めて――。

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