“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
小柄でも湘南・坂圭祐はデカいヤツ。
楽しんで浦和を完封、クールなCB。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2018/05/05 07:00
パワープレーを仕掛けてきた浦和の槙野智章(左端)を抑える坂圭祐(左から2人目)。小柄なCBとして、どこまで高みに行けるか?
高校、大学と名門で主将としてプレー。
彼は高校時代、名門・四日市中央工で1年生からレギュラーとしてプレー。1学年上のFW浅野拓磨(現・シュツットガルト)らと共に高1時に全国高校サッカー選手権大会で準優勝した。
高3になるとキャプテンとなり、チームを牽引。順天堂大学でも1年時からレギュラーを掴み、4年生時にはキャプテンに就任した。また大学サッカー界屈指のCBとして、ユニバーシアード競技大会(台北)に出場し、レギュラーとして見事に優勝を勝ち取った。
そしてJ入団から浦和戦に至るまでも、常にハイレベルな環境に身を置いてきた。
「高校、大学時代はある程度スカウティングができていたり、やったことのある相手でした。なのでプレー中も予測が大きく外れることはあまり無かった。でも、プロに入るとレベルがさらに上がって、浦和はさらに1つ次元が違う相手でした。だからこそ楽しいという感覚になったのだと思います」
いつも冷静かつ丁寧にコメントをくれるのだが、その言葉力こそが、プロの世界において「174cmのCB」として十二分な存在を認められている証でもあるのだ。
興梠、武藤、柏木を徹底的に抑え込む。
この浦和戦、彼は最終ラインながら「ピッチ上の支配者」と化していた。
相手1トップの興梠慎三の動きに目を光らせながらも、武藤雄樹と柏木陽介の2シャドーの動きには意識を向けていた。
「興梠選手はディフェンスの前に入ることが上手いので、常に触れることができる位置に置いておくように意識していました。ただ、興梠選手ばかりに気を取られていると、武藤選手と柏木選手にスペースに入り込まれてしまう。そこは何度も首を振りながら3人のポジショニングを確認して、カバーリングや奪いにいくプレーだったり、その瞬間に適したプレー選択をするように、と」