“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
小柄でも湘南・坂圭祐はデカいヤツ。
楽しんで浦和を完封、クールなCB。
posted2018/05/05 07:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
「あ……この感覚、中学生以来かも……物凄く楽しい!」
湘南ベルマーレCB坂圭祐はJ1リーグ第11節のアウェイ・浦和レッズ戦のピッチでそう感じながら戦っていた。
この感覚はキックオフからタイムアップの笛が鳴り響くまで続き、チームは敵地・埼玉スタジアムで1-0の完封勝利。リーグ戦では実に21年ぶりとなる浦和からの勝利を掴み取った。
坂はこの試合、3バックの真ん中として2試合連続のスタメン出場を果たし、2試合連続の完封勝利に大きく貢献した。
「何をしてくるか、という感覚が楽しかった」
今季、順天堂大学から加入した174cmのCBは、その体格を補ってあまりあるほどの身体能力と頭の回転の速さで、プロでも堂々たるプレーを見せている。
「守備をしていて楽しいな、という感覚が久しぶりにありました。浦和のアタッカー陣は1対1が上手いのはもちろん、1人が空けたスペースにどんどん他の選手が入ってくる。連動してお互いが受けられる動きを連続してきたので、相手が何をしてくるか分からない。その感覚が凄く楽しかったんです。
しかも、このスタジアムなのでチームの声もスタンドの歓声にかき消されて、なかなか届かない状況で。
3バックの真ん中で文字通り叫びながらなんとか声を掛け合って対応している状況でしたが、それも凄く楽しく感じたんです。何と言うか、『ああ俺、プロの舞台でサッカーしているんだな』という感覚(笑)」
少年のような屈託の無い笑顔を見せる彼に、「中学の時以来って言ったけど、その時はどうだったの?」と訪ねると、「中学の時、名古屋グランパスU15と練習試合をした時、FW北川柊斗(現・モンテディオ山形)とマッチアップをしました。その時以来です」と答えてきた。