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西野ジャパンに永井謙佑はどうだ。
FW起用で「スピード違反」が復活!
text by
西川結城Yuki Nishikawa
photograph byJ.LEAGUE
posted2018/04/24 08:00
名古屋時代に西野朗監督のもとでプレーした永井謙佑。秘蔵っ子としてのサプライズ選出があっても不思議ではない。
短期決戦の隠し玉として、面白い。
現代サッカーの2トップは戦術的な幅も求められる。例えばレスターでプレーする岡崎慎司がトップ下の位置に構えながら、局面によって変則的に横並びの2トップにもなる。
永井の場合、2トップなら固定式も変則式もプレー可能で、さらに先発でなくても途中出場で爆発的なプレーを披露し、試合の流れを劇的に変えられる。
つまり永井謙佑は、強烈な武器を押し出すことができ、さらには攻守において自分の特徴をチーム戦術にまで昇華できる存在、なのである。
「西野さんはよく知っている監督ですし、いい思い出もあります。でも、今は急な状況だし、正直すぐに代表なんて考えていないですよ。まあ、自然体でプレーするだけですね」
待望論のように焚き付けようとしても、永井はいつだって飄々とした姿勢を崩さない。今回に関しても同じ。もちろんそれは気負いすぎない意味で、ポジティブに映るものである。
はたして、日本のスピードスターの今後はいかに。
「スピード違反」と言われたあの瞬間から、今も常にピッチで何かを起こす空気を作れる選手であることに変わりはない。W杯は五輪同様、短期決戦。ロンドンで世界相手に見せたあのプレーを、今度は隠し玉としてロシアで解き放っても、面白い。