「正直“ここまで評価されていないのか”と」

　結果、優勝と5ゴールで得点王。見事に有言実行を果たした。

　それでもオファーはこなかった。

「正直、焦りました。“ここまで評価されていないのか”と。決勝から3日後くらいにザスパクサツ群馬さんからオファーを頂きました。それはめちゃくちゃ嬉しかったのですが、正直心のどこかで“J1などのクラブからオファーが来るかな”と思っていたので、他になかった時点で“なんでや!!”と思いました……。でもオファーをしてくれた群馬のために、全力で結果を残そうと強く思えた」

　念願のオファーの裏側にあった劣等感と絶望感。そして、それ以上の反骨心――。

「これまで声を掛けてくれなかったチームを絶対に見返してやる」

　江坂のプロキャリアは、この想いがスタート地点となった。

群馬で全42試合出場、チームトップの13ゴール。

「やっぱり評価されるのは“コンスタントに活躍する選手”。僕はそうじゃなかったので、ここまでプロの目にひっかからなかった。だからこそ、群馬では点を獲るだけでなく、チャンスメークも出来るようにして、プレーの幅を広げないといけないと強く意識した」

　オフ・ザ・ボールの動きを徹底して磨き、よりバリエーションを持ってアタッキングサードで仕事をする。すべては“確固たる評価”を掴みとるためだった。

　するとルーキーイヤーの2015シーズン、開幕スタメンで起用され、シーズンが進んでも絶対的エースの地位を固める。リーグ全42試合に出場し、チームトップの13ゴールを叩き出した。アシストを含めて、コンスタントに活躍したことで、ついにJ1クラブが獲得に動いた。

　2016年に大宮アルディージャへ完全移籍。2シーズンにわたってレギュラーとしてプレーし、今季から柏レイソルに加入した。

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