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増嶋竜也が“柏以上の地元”千葉へ。
「小学生の頃ジェフのユニで……」
posted2018/02/02 11:00
text by
塚越始Hajime Tsukakoshi
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
千葉県で生まれ育ちプロ15年目を迎えるDF増嶋竜也が、故郷のジェフユナイテッド市原・千葉に新天地を求め、2018シーズンに挑む。昨季プレーしたベガルタ仙台に続き、柏レイソルからのレンタルという形だ。
「もう今年33歳ですよ。ヤバいでしょ」
増嶋は笑う。
ピッチ上では前線からぐいぐいと豪快に牽引し、ピッチの外では増嶋の後ろにそっとくっ付いて歩いていた平山相太、10代からともに戦ってきた同い年のストライカーは引退を決めた。
次第に同世代の現役選手が減っていくなか、増嶋はDFに求められるメンタルの図太さが増し、駆け引きの妙を楽しみ、左膝前十字靭帯損傷という大怪我による葛藤を乗り越え、一回りも二回りも大人になった。
しかも期待を力に変えて、目を輝かせる。いい歳の重ね方をしている。
2002年、増嶋は市立船橋で日本一になった。
年齢の話をしてきたのは、記者が高校時代から増嶋を取材していることをすぐ思い出したからだろう。16年前、日韓ワールドカップイヤーにあたる2002年まで遡る。
増嶋は市立船橋高の2年時にレギュラーの座を掴み、高校選手権制覇を果たす。1学年上の主将は大久保裕樹(昨季限りで引退)、エースは原一樹(讃岐)、選手権ファイナルで決勝点を突き刺した小川佳純(新潟)、そして増嶋と同学年のカレン・ロバートらがチームメイトだった。
その後は同校とU-19日本代表の両方でキャプテンを務めて、全日本ユース初優勝とワールドユース(現U-20W杯)出場権獲得を成し遂げる。
プレーの先を読んでピンチの芽を摘み、味方を動かしながら相手を追い込み確実にボールを奪う。頭脳とテクニックとフィジカルの強さを兼ね備えた世代屈指のセンターバックとして脚光を浴びた。