“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
大学まで無名→群馬→大宮→柏。
江坂任と瀬川祐輔、経歴が似過ぎ。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2018/02/04 07:00
同一クラブから同時に2人獲得という珍しいケースだが、江坂(右)と瀬川は着実にステップアップを果たしている。
「レイソルでも今までのように腐ることなく……」
1月30日のACLプレーオフのムアントン・ユナイテッド戦。
ユニフォームがオレンジからイエローに変わった江坂はスタメン、瀬川は途中出場で柏デビューを飾った。
「柏に決まってからも、“レイソルはポジション争いがすごく激しいし、正直出られなくなる時期も絶対あるけど、今までのように腐ることなく、いつでも試合に出られる準備を怠らずにやっていこう”と話した」(江坂)
同じ道を歩んで来たからこそ、分かることがある。当然、お互いをリスペクトしている関係だからこそ、それは誰よりも深い。
「僕は就活をまったくしなくて、サッカー1本だった。もしJリーグからオファーが無かったら、地域リーグのクラブからオファーはあったし、海外に行く選択肢もあった。プロになるための覚悟はできていた。瀬川も相当な覚悟を持っている。あいつは就活をして一流企業の内定までもらっていた。
周りからすれば、その時の群馬の給料や立場を見たら“企業に行った方がいい”と絶対に思うのに、サッカーを諦められないという理由で群馬を選んだ。僕も就活して企業に内定をもらっていたとしても、絶対に後悔すると思ったので、サッカーに打ち込んだ部分もある。2人ともサッカーに人生を懸けたと思う」(江坂)
「任くんは群馬で初めてJ1に“個人昇格”した選手ですし、活躍して大宮、レイソルという同じ道を歩んできた。“苦しんでもプロにはなれるんだぞ”というのを2人で見せて行けたら良いと思う」(瀬川)
重なり合った数奇な運命の糸。柏で躍進し、A代表へと続く階段を駆け上って行けるか。大学、群馬、大宮と続いた彼らのチャレンジの第4ステージが幕を開けた。