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本当はレアルではなくユーベだった!?
C・ロナウド、幻に終わった移籍の真相。
text by
バレンティン・パウルッツィValentin Pauluzzi
photograph byStephane Mantey
posted2017/11/13 08:00
レアル・マドリーとは2021年までの契約を結んでいるロナウド。次の更新は無い、と周囲に漏らしているらしいが……。
若きロナウドにセリエAの戦術は窮屈だったはず。
長年スカウトを担当していたチェラボロの言葉には、大きな魚を逃した後悔が滲んでいる。
「ただ、だからといって、トップの判断がまったく間違っていたとも思えない。ティエリ・アンリの例を見ればいい。厳しい競争を勝ち抜いてストライカーとして獲得したのに、中盤のサイドで起用せざるを得ず、半年後にはアーセナルに移籍してしまったじゃないか」
監督だったベレニの見方は少々異なる。
「私はイタリアサッカーを高く評価するが、まだ若くて伸び盛りだったクリスティアーノを(セリエAに特徴的な)戦術の檻に閉じ込めてしまうのはどうか。もしそうなってしまったら、当時の彼に抵抗する術はなかっただろう」
数カ月後、ロナウドはマンチェスター・ユナイテッドに移籍した。
サラスはユーベでのシーズンの残り期間をベンチとスタンドで過ごした後、リーベルに復帰し、ついにスポルティングのユニフォームに袖を通すことはなかった。ロナウドがユーベのそれに袖を通さなかったように……。