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本当はレアルではなくユーベだった!?
C・ロナウド、幻に終わった移籍の真相。
text by
バレンティン・パウルッツィValentin Pauluzzi
photograph byStephane Mantey
posted2017/11/13 08:00
レアル・マドリーとは2021年までの契約を結んでいるロナウド。次の更新は無い、と周囲に漏らしているらしいが……。
ユーベ移籍はメディカルチェックまで進んでいた?
モッジが回想する。
「移籍金250万ユーロに加えて、出番の減っていたマルセル・サラスをつけるのがわれわれのオファーだった。ロナウド本人を説得するために、さらにボーナスを支払う用意もあった。そしてリスボンまで出向いて、すべてを片づけたんだ」
ベレニがそれに答える。
「サラスには興味があった。だが彼らのオファーは、スポルティングには“ウィン・ウィン”ではなかった。たとえ3倍の値段をつけれられても、クラブはロナウドを放出しなかっただろう」
とはいえ移籍はメディカルチェックの段階にまで進んだという。
一体……真実はどこにあるのだろうか?
モッジが自らの伝説賛美のために流した法螺話では。
この話そのものが、実はモッジが「移籍市場の支配者」という伝説をより確かにするために流した噂に過ぎないのではないか?
モッジ本人は自信たっぷりにこれらのエピソードを語っているのだが、他の関係者たちは少々懐疑的なのである。
最終的にサラスのスポルティング行きは実現していない。
直前になって、サラスの以前の所属クラブであったリーベルプレートにシーズン終了後から移籍するオファーがまとまったのだ。
ユーベに残された選択肢はただひとつ、すべてをキャッシュで支払うことのみとなった。
スカウティング部は最終的な判断をモッジに委ねた。そしてモッジは、この交渉の最終的な結末に際して、自分の権力を最大限強めることのみを考えていた。チーフスカウトのチェラボロは言う。
「ユベントスは特効薬を必要としていた。だから高額小切手は名のある選手に支払われるべきで、何の実績もない若者には1000万ユーロを投資しないという結論に達した。例外を認めることもできたはずなのだが……」