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本当はレアルではなくユーベだった!?
C・ロナウド、幻に終わった移籍の真相。
posted2017/11/13 08:00
text by
バレンティン・パウルッツィValentin Pauluzzi
photograph by
Stephane Mantey
スポルティング・リスボンからマンチェスター・ユナイテッド、レアル・マドリーへと順調にキャリアを重ねたクリスティアーノ・ロナウドは、今年も『フランス・フットボール』誌主宰のバロンドールの大本命である。獲得すれば、リオネル・メッシと並ぶ史上最多の5度目の受賞となる。
だがそのロナウドが、今から15年前に今日とまったく異なるキャリアを築く可能性があったことを、皆さんはご存じだろうか。
ユベントスが水面下で獲得を画策し、移籍はほとんど決まりかけていた。
それが土壇場でひっくり返ったのは、どういう理由からだったのか――。
『フランス・フットボール』誌10月31日発売号では、ヴァレンティン・パウルッツィ記者が当時の内実を生々しくレポートしている。
監修:田村修一
「僕が19歳でサインをしたのはマンチェスターUだけ」
端緒は記者会見での、あるジャーナリストの何気ないひと言だった。
「ユベントスの裏切り」という言葉に、クリスティアーノ・ロナウドはこう反応した。
「(ユベントスのファンの)多くの人たちが僕のデビューを待ち望んでいた。彼ら(ユベントス)には彼らの言い分があるだろうが……僕が19歳のときにサインをしたのはマンチェスター・ユナイテッドだけだったと覚えている」
今から4年前のチャンピオンズリーグ・グループリーグ、レアル・マドリー対マンチェスター・ユナイテッド戦の前日会見での1シーンである。そのときロナウドは、過去のある出来事を思い返していた。
移籍市場の危険極まりない駆け引きが長らく続いていることが、彼の記憶をかき回していたのだろう。なぜか、昔、幻に終わった移籍の話を、彼は蒸し返していたのである。