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ネイマール加入でPSGはCL制覇できる?
『フランス・フットボール』が徹底検証。
text by
パトリック・ウルビニPatrick Urbini
photograph byAlexis Reau/L'Equipe
posted2017/09/27 17:00
ネイマール、ムバッペ、カバーニの連係が、PSG躍進のすべての鍵となるわけだが……。
過去のCL王者と比較すると今季のPSGは……。
ネイマールとムバッペ、ダニエウ・アウベスの移籍により、PSGの戦力は大幅に増強され、とりわけ攻撃の効率が高まったのは間違いない。だが、チームのすべてのセクターが強化され、全体のバランスが取れたかといえば、必ずしもそうではない。
チーム構成と戦力をここ最近のチャンピオンズリーグの勝者たち――バルセロナとレアル・マドリーのふたつと比較したとき、いくつかの疑念を抱かざるをえないのだった。
(1)高い攻撃のポテンシャル。
まず攻撃に関しては、ネイマール、カバーニ、ムバッペに加えディマリアやドラクスラー、パストーレ、ルーカスらを擁するPSGは、質と量の両面で他のトップクラブに決して劣らない。
2015年のバルセロナにおいてMSNが占めた割合(チームの全得点の87%)や、2014年と'16年にレアルで“BBC”が果たした役割(昨季のレアルは、ベイルに代えてイスコを起用したダイヤモンド型の4-4-2を採用)を考えれば、何が最も重要であるかが浮かび上がってくる。
チャンピオンズリーグのスタッツでは、ムバッペは9試合で6得点、1試合当たり0.67であり、カバーニは44試合で25得点、同0.57、ネイマールはメッシ、スアレスとともにプレーした過去3シーズン30試合で17得点、同0.57である。数字の上ではかなり期待が持てる。
もちろん彼らをどう配置し、どんなコンビネーションを組み立てるかという課題はあるし、春に向けてコンディションをピークにもっていく必要もある。ネイマールについては、ウナイ・エメリは次のように述べている。
「彼は勝利に慣れ、また勝つことを義務づけられた選手だ。問題はバルセロナにはメッシとスアレスがいたように、彼を最高のシチュエーションに置けるかどうかだ」