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ネイマール加入でPSGはCL制覇できる?
『フランス・フットボール』が徹底検証。
text by
パトリック・ウルビニPatrick Urbini
photograph byAlexis Reau/L'Equipe
posted2017/09/27 17:00
ネイマール、ムバッペ、カバーニの連係が、PSG躍進のすべての鍵となるわけだが……。
(4)ディフェンスのふたつの穴:GKと左SB。
卓越したゴールキーパーがいなくともチャンピオンズリーグ優勝は可能である('94年ミランのセバスティアーノ・ロッシや'02年レアルのセサール・サンチェスなど)。
また驚異的なサイドバックなしでも優勝できる('07年ミランのマレク・ヤンクロフスキや'09年バルセロナのシウビーニョ)。
さらにはその両方を欠いても――'97年にユベントスを破ったドルトムントはシュテファン・クロスとヨルク・ハインリヒ、'05年にミラン相手に奇跡の逆転劇を演じたリバプールはイェルズィー・デュデクとジミ・トラオレであったように――ヨーロッパの頂点に立つことはできる。
PSGの場合も、スタメンに2つの穴がある。それがGKアルフォンス・アレオラと左SBレイバン・クルザワである。
歴史を紐解いたときに、このふたつのポジションについては、幾つかの著名なコンビの名前を挙げられる。'00年レアルのカシージャスとロベルト・カルロス、'01年バイエルンのカーンとリザラズ、'13年バイエルンのノイアーとアラバ、'08年マンチェスター・ユナイテッドのファンデルサールとエブラ、さらに遡れば'93年マルセイユのバルテスとディメコなどがそうである。
バルサとレアルにしても、テア・シュテゲンとジョルディ・アルバ(バルセロナ)、ケイロル・ナバスとマルセロ(レアル・マドリー)でここ数年は安定している。
一方、PSGは、スタメンのふたりばかりか代役たちも心もとない(GKトラップと左SBベルチチェ)。またゴールキーパーの場合は、他のポジションのような競争も起こりにくく、不安を拭い去れない。
以上、幾つかの不安点を抱えながら、PSGは頂を極められるのか。
とてもではないが、楽観する気にはなれない。