フランス・フットボール通信BACK NUMBER
三十路を迎えたメッシに衰えは?
筋肉や関節より、心のケアが大問題。
posted2017/07/18 07:00
text by
トマ・シモンThomas Simon
photograph by
Ferran Quevedo/Mundo Deportivo
6月27日発売の『フランス・フットボール』誌では、その3日前(6月24日)に30歳の誕生日を迎えたリオネル・メッシを取り上げていた。フローラン・トルシュ記者がロサリオ(アルゼンチン)での少年時代の長いルポルタージュを書いているのに加え、トマ・シモン記者が30代で起こり得る肉体的・精神的変化を専門家の声とともにレポートしている。
ジネディーヌ・ジダン監督のもと、休息のリズムやプレースタイルを大きく変えたクリスティアーノ・ロナウドのように、メッシもまた年齢に応じた変化が求められるのか。シモン記者が分析する。
監修:田村修一
30歳のメッシは、今でもトップコンディションだ。
30代に足を踏み入れることは、リオネル・メッシにとって決して心理的な障害ではなかった。ただ、それでも幾つかの用心は必要。エキスパートたちが理由を説明する――。
30歳は、人生において特別な意味を持つように見える。ひとりの人間が人生の岐路にたつのが30という年齢であり、トップクラスのアスリートの肉体にも変化が現れるのがこの年齢であるからだ。だからこそ、身体の管理はこれまで以上に重要になる。
「そうはいってもメッシに関しては、ほとんど何も変わらないだろう」とAJオセールでフィジカルコーチを務めるセドリック・ブロムは即答する。
「30歳のメッシは、相変わらずトップコンディションを維持し続けている。バルセロナで彼は定期的にテストを受け、査定された評価に基づいてトレーニングを重ね試合での役割も定められている。
30歳が引退の目安というのはフランス的な考え方だ。彼の場合はまったく当てはまらない。いまだに全盛期にあるといえる。
もちろん身体の管理は年齢に応じたものに変えていかねばならないし、連戦の負荷をできるだけ軽くする必要はあるが、留意すべきはそれぐらいだ」