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バルサだけでなくセレソンでも最強!
ネイマール率いる代表版“3本の矢”。
text by
パトリック・ウルビニPatrick Urbini
photograph byPedro Vilela/Getty Images/AFP
posted2017/06/27 08:00
左から、コウチーニョ、ネイマール、ジェズス。3人揃ってのこのゴールパフォーマンスは、ジェズスお得意の「彼女へ電話する」仕草である。
ドイツに1対7で大敗した時と比べると……。
ただそれでも彼らは、3年前にベロオリゾンテの準決勝でドイツに1-7と大敗したセレソンの攻撃トリオ、ベルナルド=フレッジ=フッキに比べると、月とスッポンほどの差があるのは間違いない。
フェリペ・コウチーニョとガブリエウ・ジェズス、ネイマールがともにプレーした2016年末の5試合をふり返るだけでそれは一目瞭然。彼ら3人がいかに質の高い連係を見せ、大きな違いを作り出すことができたかを(ガブリエウ・ジェズスは足の骨折により春におこなわれたワールドカップ予選のウルグアイ戦〈4-1でブラジルの勝利〉とパラグアイ戦〈同3-0〉を欠場しているが)。
ネイマールのプレースタイルが、周囲を活性化させる!
遅攻の場合には、彼らの動きが常にパスのコースを生み出し、お互いが相手のためにスペースを作りだす。そして速攻になると、リズムの変化を意図的にコントロールして、他の誰にも成し得ないメリハリのきいたシャープな攻撃を繰り広げる。またときにプレースキックも効果的である(ネイマールのフリーキックとコーナーキック。勿論コウチーニョのコーナーキックも有効だ)。
25歳のネイマールはすでに確固たる地位を確立し、経験も実績(代表77試合で52ゴール)も申し分ない。その点で彼は他の2人の追随を許さない。
だが、それ以上に彼のプレースタイルそのものが、彼自身をより魅力的にしているといえる。
バルサの若きアタッカーはドリブラーであり、またパサーでもゴールゲッターでもあるのだ。
そのスタイルは衝撃とチャレンジ、挑発から成り立っている。
彼はしばしば左サイドから仕掛けはじめて中へと切り込みフィニッシュにいたる。動きに無駄はなく、完璧なまでの身体とボールのコントロールは、相手のカウンターアタックを回避しチームにポゼッションの優位をもたらす。