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バルサだけでなくセレソンでも最強!
ネイマール率いる代表版“3本の矢”。 

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パトリック・ウルビニ

パトリック・ウルビニPatrick Urbini

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photograph byPedro Vilela/Getty Images/AFP

posted2017/06/27 08:00

バルサだけでなくセレソンでも最強!ネイマール率いる代表版“3本の矢”。<Number Web> photograph by Pedro Vilela/Getty Images/AFP

左から、コウチーニョ、ネイマール、ジェズス。3人揃ってのこのゴールパフォーマンスは、ジェズスお得意の「彼女へ電話する」仕草である。

攻撃陣もさることながら、実は守備陣も最強である。

 コウチーニョは、相手のバランスを崩してプレーに継続性をもたらし、正確にワンタッチでボールをさばきながらゴール前に突然現れる。あるいは様々なフェイントを駆使し、身体のすべてを最大限に生かしながらプレーする。さらに言うと、右サイドに適応する能力も兼ね備える。

 彼のポジションをどうするかが、チッチにとって唯一の悩みの種であるのかもしれない。

 これだけ才能のある選手が揃っているとなると、チッチはブラジルがボールを保持した際に選手たちに白紙委任状を与えてしまう方が良いかどうか、悩ましいところだろう。

 そこで逆に浮き彫りになるのが、ミッドフィールドを含めた中央ディフェンスの強固さと、ダニエウ・アウベスとマルセロという比類なき両サイドバックの質の高さである。

 マルキーニョスとミランダの両センターバックとパウリーニョ=カゼミーロ=レナト・アウグストのミッドフィールドは、まったく揺るぎのない信頼感をチームに与えているのだ。チッチがより安心できる条件は、ここでも整っていると言える。

 とはいえワールドカップまでの1年は長い。

 何がこれから起こるかは誰にも予測できない。

ここまで築いた278分の至福の時間を検証すると……。

 コウチーニョとガブリエウ・ジェズス、ネイマールの3人は、2016年9月1日から11月15日までのロシア・ワールドカップ予選5試合でともにプレーしている。

 内訳はエクアドル戦(9月1日=アウェイ、3-0)で29分、コロンビア戦(9月6日=ホーム、2-1)で20分、ボリビア戦(10月6日=ホーム、5-0)で66分、アルゼンチン戦(11月10日=ホーム、3-0)で81分、ペルー戦(11月15日=アウェイ、2-0)で82分で、あわせて278分である。

 3人の併用を最初に考えたのはチッチで、前任者ドゥンガの最後の試合となったコパ・アメリカのペルー戦では、ウィリアン=ガブリエウ・バルボサ=コウチーニョのトリオが起用されていた。

 チッチの選んだ3人がいかに効率的かはすぐに証明された。

 彼らがともにプレーする間に、ブラジルは13得点を挙げてしまったのだ。

 平均すると21分で1点の計算になる。また3人それぞれに得点はネイマールが4点、カブリエウ・ジェズスが3点、コウチーニョが2点。アシストはネイマールが4、ガブリエウ・ジェズスが3、コウチーニョが1である。

【次ページ】 ブラジル代表はプランBでさえ圧倒的に強い。

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