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ウォリアーズ優勝の裏に隠された、
各選手の“取り返したかったもの”。
text by
長澤壮太郎Sotaro Nagasawa
photograph byJoel Angel Juarez/Anadolu Agency/Getty Images
posted2017/06/16 17:00
6月15日、地元オークランドで行われた優勝パレードで、ファンと喜びを分かち合うカリー。
「落ち着いて、この素晴らしいチャンスを楽しむ」
持病のヘルニアを悪化させ4月19日以来現場を離れていた指揮官スティーブ・カーが、シリーズ第2戦で戻ってきた。
どんなに強いチームでも苦しい局面に対峙する。そんな場面でカーは笑顔でチームに言った。
「我々は目標にしてきたNBAファイナルの場にいるんだ。物事が難しくてもそれは当たり前だし、予想は出来ている。落ち着いて、この素晴らしいチャンスを楽しむ。それが出来れば我々は大丈夫だ」
指揮官が不在の間も勝利を積み重ねていた彼らにとって、カーがベンチに入ったからといって、作戦が変わる訳ではない。
ただ、このチームの文化を作り上げた彼の人間力が、チームに最後の力を与えたことは確かだ。
チーム全員が自信に満ちた顔で最高のパフォーマンスを披露し、全てがひとつになったとき、1年前から各々が心に背負っていた屈辱は晴らされた。